‘07.3.24

日本音楽コンクール第1位で、ショパンのデビューCDもリリースされている外山啓介さんのリサイタルを聴いてきました。「英雄ポロネーズ」と「幻想ポロネーズ」、そして大好きな「夜想曲18番」がお目当てです。

デビューCDリリース記念の全国ツアー中だそうで、プログラム前半はかなり疲れてしまっているように感じました。前腕に力が入ってしまっているような時もあり、「危ない、手を傷める!」とハラハラしてしまいました。でも、15分休憩後の後半ではしっかり調子を取り戻されていてさすが!。丸くて叙情的な音色、響きをとらえる感性がすてきでした。きっと将来、大きく羽ばたくピアニストに成長されると思います。

 

気になったことがありました。今日のリサイタルは18:30開場/19:00開演だったのですが、同じ会場で16:30終演の全く別のコンサートが行われていたのです。会場のHPでたまたま見つけたのですが、ピアノの調律時間、リハーサル時間はいったいどうなっているのでしょう?。 チケット購入時、主催者に聞いてみたところ「その辺は調整しますので・・・」という返事でした。???。   この会場の昨年末の新聞折込広告には、今日のリサイタルは載っていなかったので、間際に決定した公演なのかもしれません。それにしても演奏者にとっては厳しいなぁ、これでもいい演奏が出来ないとダメなのかなぁと、少し複雑な思いでした。

コンサートの主催者や音楽事務所の中には、音楽のこともよく解っていない、いい加減なところも実際にあります。演奏家サイドへの連絡の不十分さ。誤字・脱字の多いチラシやプログラム(私もずっと以前のことですが、名前を間違えられたことがあります)、しかも粗悪な印刷でアーティストの写真は真っ黒、かすれて見えない文章。いい加減なピアノ調律(費用削減のため、鍵盤やハンマーの調整である「整音・調整」を依頼せず、ピッチのみを修正する「調律」だけで終わらせるようにする。ひどい場合、調律なしだったりする。私はいつも事前に必ず確認し、可能な限り調律に立ち会います)。リハーサル時間がない(試験やコンクールならともかく、演奏会ではありえない)。演奏者をバカにするような言い方をする業者も少なくありません。 悲しい事ですが、最近では、自分が出演するコンサートはもちろん、聴きに行くコンサートも主催者をチェックするようになりました。コンサートを開催する以上、「いい音楽を広めたい」という根っこの部分だけは絶対にないがしろにしてほしくないと思います。

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