’07.4.28

ロシア出身のピアニスト、イリーナ・メジューエワさんのリサイタルを聴いてきました。本拠地を日本に移されて10年、いわゆる「名曲もの」ばかりでなく、近年は、ロシアの作曲家・メトネルの作品紹介にも力を入れているそうです。今日は、ショパン・リスト・ドビュッシーの有名曲のほか、プログラムの最後に、グリーグの「春に寄せて」とメトネルの「忘れられた調べ」から4曲が演奏されました。

グリーグとメトネルは、曲とメジューエワさんの感性とが一体になったかのようで、それは素晴らしい演奏でした。もしかしたら、ご本人が本当に演奏したかったのは、これらの作品だったのではないか・・・と考えさせられてしまいました。

ジャンルを問わずコンサート市場において、主催者側がアーティストに「お客を呼べる」持ち曲・有名曲を要求するのは、ある意味当然でもあります。マニアックなプログラムでもコンサートが出来るのは、ごく一部の超一流アーティストか、そのようなプログラムを喜んでくれる聴衆のいる場(都市部に多い)に限られてくるでしょう。

今の私は、コンサートとはどんなジャンルであっても「エンタテイメント」だと考えています。人気曲をプログラムに入れるのは、やはり当然だと思っています。でもアーティストも人間。持ち曲と評される曲でも、どうも気乗りがしない、魂を込められない、ということもあります。そのような時に、いかにして自分の精神状態を良くもっていくか。これはとても重要ではないかと思います。

「有名曲ではないけれど、この曲を演奏したい!」という時は、1,2曲に絞って入れてみます。よい演奏が出来ても、初回は「ウケない」かもしれない。でも本当に自分の心に響く曲であれば、必ずまた披露できる機会が訪れます。その都度演奏して、少しずつ聴いてくださる方を増やしていけば、それこそ「持ち曲」にしていけるのでは・・と考えています。

 

夕方からは、角野裕先生のレッスンを受けてきました。6/3のリサイタルで弾く「英雄ポロネーズ」を見ていただきました。曲のイメージが自分の中ではっきりさせられず、また、表現に悩む箇所もあったのですが、先生のアドバイスの一言一言に納得出来て、やっと霧が晴れてきたように思いました(先生に師事していた友人は「角野マジック」と言っていました)。全体の響きのバランスをもっと整えて、幅の広い表現が出来るよう(レパートリーに出来る曲も増やせると思うので)、精進したいと思います。

この「英雄ポロネーズ」は、お客様からのリクエストで今回のプログラムに入れましたが、勇ましく、雄々しい雰囲気のレパートリーがあまりなかった私にとって、大きなチャンスを与えていただけたと思います。本当にありがたいと思います。

 

‘07.4.13

ある団体のパーティーで、声楽の方の伴奏をさせていただきました。30分ほどのステージでしたが、右肘を痛めて以来初めて、公の場で弾くこともあり、腕の状態を慎重に見ながらの練習・本番でした。ピアノもよく調整されていて、演奏も無事に終わり、演奏後の肘の痛みもほとんどなく、ホッとしました。 

コンサートではなく、パーティーでの演奏というと、
1.  食事・歓談中のBGMとして
2.  食事の前、または後(デザートの頃など)に、20〜30分ほどのコンサートタイムが用意される
3.  余興として(結婚披露宴など)
などがあると思いますが、今回は2.で、しかも「お食事の前」でしたので、お客様皆とても集中して聴いて下さり、本当にありがたかったです。

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