’07.7.21

友人のソプラノ歌手・増田貴代子さんのリサイタルを聴いてきました(ピアノは江川真理子さん)。大学院修了後、パリのシャトレー劇場で研鑽を積んできた増田さん。満を持しての初リサイタルです。

曲目は、彼女が「半生に渡って歌ってきた」フランス歌曲集で、フォーレ・アーン・デュパルク・ドビュッシー・ラヴェル・メシアンのプログラムでした。私も大好きな曲ばかり! 10代の頃、初めてフォーレの作品を勉強するためにピアノ以外の作品も調べた際、歌曲の美しさにハマってしまい、それ以来フランス歌曲の大ファンなのです。

声楽のリサイタルで、オペラアリアが1曲も無いのは地味に思われるかもしれません。でも1曲1曲が本当に丁寧に、端正に歌われていて、彼女のこれまでの道程を見る想いでした。ピアノの江川さんも、普段はドイツ歌曲の伴奏をされることが多いそうですが、難しい作品(ピアノパート自体も、歌と合わせるのも)ばかりの中、とても堅実に演奏されていました。お辞儀の際の笑顔も、とても素敵でした!

「リサイタルは皆、1回はやる。でもその後が続かない・・・」と増田さんも言っていましたが、本当にその通りです。特に自主開催の場合は専任のマネージャーがいない限り、大量の雑事、様々なプレッシャー、はたまた経済的なこと等々、肝心の演奏以外のことに追われ、心身ともに疲れ果ててしまいます。長く続けるためには、まず規模で無理をしないこと(プログラム、ホールのキャパシティ、経費等)。まさに「細く長く」を心がけたいものです。

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