’08.7.12

「フルートの世界II〜飯島和久と仲間たち」(主催・ヤマハミュージック横浜)で伴奏をさせていただきました。会場は昨年と同じ、横浜市神奈川区民文化センター「かなっくホール」。何度かコンサートを聴きにいったこともありますが、300席という聴くのも弾くのもちょうど良い規模、音響もとても良いホールです。

ピアノはヤマハCFIII。前日、調律の方に希望をお伝えしておいたので、とても良い状態に仕上げていただけました。

今回の出演フルーティストは、飯島和久先生の門下生を中心に、先生含め10人。初めてご一緒する方もいらっしゃいました。

7/10・7/11と伴奏合わせ。初めての相手との最初の合わせはとても緊張します。どんな感性・音楽性の持ち主か、どんな音色で演奏したいのか、それを探るのに、気心知れた相手よりも、よりいっそう神経を張り巡らせるからです。相手の音色にひたすら耳を澄ませ、帰宅後は録画したビデオで研究。今回はテレマン、モルター等バロック作品の伴奏が多く、自分の音色にも修正を加えました。

そして迎えた本番は、前回よりもいっそう皆の気持ちがまとまったように思いました。同じ先生の門下生が皆このようなコンサートが開けるとは限りません。門下生同士が「良きライバル」なのは当然ですが、「良き仲間」という例はとても少ないからです。このように皆が集まれるのは、やはり飯島和久先生のお人柄故と思います。この場に居合わせていただき、光栄でした。今回は2回目でしたが、3回、4回と続いていくことを願わずに入られません。

 

’08.6.30

9/15のリサイタルのために、井上二葉先生のレッスンを受けてきました。フォーレの「舟歌 第4番」。4分ほどの小品ですが、リサイタルで演奏するのは初めてということもあり、フォーレ演奏の大家でいらっしゃる井上先生に1曲をじっくり見ていただきました。

初めに通して弾いた後「音は良い」と言っていただけて、まずは一安心。一番の課題はテンポ感や音楽の流れでした。

フォーレのハーモニーは独特です。思いがけない音へ飛ぶことが多く、慣れないうちは譜読みも大仕事になります(初めてフォーレの作品を弾いたのは10代の頃、「ヴァルス・カプリス No.1」でした。とても苦労したのを覚えています・・・)。フォーレは、宗教音楽学校を経て教会オルガニストとして活躍していたので、メロディー以外の部分の線(横の流れ)もとても大切に書かれています。

ハーモニー(縦の響き)と線の絡み合い、私は前者にとらわれすぎていました。「慎重に行くより、楽に流れるほうが良い」と指摘を受け、この曲の本質を見失わずに済み、ホッとしました。

帰宅後はビデオを見ながら復習です。

 

’08.6.12

朝日新聞夕刊に連載中の「日々是(これ)修行」。花園大学教授の佐々木閑さんが、仏教について楽しくわかりやすく書いていらっしゃいます。今日は、出家者のための法律集「律」についてでした。

― 法律があれば、正しい行動かどうか判断せずにすむ。その分、心に余裕ができ、より創造的な活動が可能になる。仏教はまさにこの方向を選んだ。

修行という、きわめて高度な精神活動を実現するには、日常生活の細かい気遣いは邪魔だ。それを回避するために独自の法律を作った。着る物、食べる物、金銭の扱い、信者との付き合い・・・すべてに関して恐ろしく緻密で合理的な法律集を作ったのである。

律の規則どおりに行動すれば、あれこれ迷う必要もなく、ストレスのない生活を送れて、心のエネルギーも充ちてくる。それを、唯一の目的「修行」に集中させるのである。―

 

この文章に、諭されたような気持ちがしました。音楽家も、音楽に集中することが必至です。それに、一日中音楽のことを考えている、想っているくらいでないと、プロとしてやっていくのは難しいと想います。

でも現実には音楽のことだけ考えている訳にはいかないもの。ことに女性なら、家事や育児など音楽以外のことに神経を遣いっぱなしかもしれません。でもこの「律」をヒントに、自分なりの「行動パターン」を持っておけば、迷って疲れることも減るのでは?  ある料理研究家曰く「日々の献立は、日曜は魚、月曜は豚肉・とメインにするものを決めておく」。あるファッションスタイリスト曰く「仕事着は、トップ・ボトム・アクセサリーまでパターンを決めて、パッと着て出かけられるようにしておく」。・・・等のやり方も参考になりますね。自分にとって最も重要なことに時間も神経も遣えるよう、コントロールしていきたいと思います。

 

’08.6.2

昨日の帰り、「9/15のリサイタル『水の情景 part2』の参考になりそうな写真集はないかな・・」と思い、大型書店に寄りました。読書好きなので、大型書店に行くといつもワクワクします。

そこで購入したのが「水の名前(内山りゅう・著/平凡社)」。季語を中心に様々な水の言葉に関する文章と、それに付いた写真がとても美しい本です。雨が多く、四季に恵まれた日本。文を読み、写真を見ていると気持ちが澄んでいくようで、枕元に置いて眠りにつく前にいつも見ています。

昨年購入した「水の音楽(青柳いずみこ・著/みすず書房)」とともに、大切にしていきたい、素適な本です。

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