’09.6.27

関係者のみの会で、ブラームスの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第2番」を演奏しました。会場は昨年度と同じ、茅ヶ崎市の「MKホール(個人所有)」です。50席ほどのスペースで、とても素適な雰囲気のサロンです。ピアノ(スタインウェイB型)も、まだオープンしたてで弾き込まれていなかった昨年より、ずっと良い状態になっていました。

この会では、出演者の方が演奏前に「コメント」をされます。曲への想い、今日の演奏への意気込み、ご自分の近況など、自由にお話しされるのを聴くのは、演奏だけを聴くのとはまた違った楽しさがあり、アットホームな会ならではと思います。

でも、客席でそれを聴きながら、かつ自分の演奏へ気持ちを集中していくのは大変! 出る前はリラックスし、出番になったら即集中できるのが一番良いのですが、私は以前よりマシになったとはいえ、気持ちの切り替えに時間がかかるほうです。多少集中し切れなくても、もうあわてないのが一番。演奏中は、ひたすら響きを耳で追いました。 

皆様のご好意で、2ndアルバムに収録した「アラベスク 第1番(ドビュッシー)」も続けて演奏させていただきましたが、演奏後はもう汗びっしょり! 何だか、ハーフマラソンを走ったような感覚でした。

 

 

’09.6.21

ソプラノの桑田葉子さんと「逗子童謡の会」にお邪魔してきました。先週のリサイタルに続けての本番はハードですが、桑田さんとはぜひご一緒させて頂きたくて、お引き受けしました。

梅雨の季節、そして「父の日」でもある今日。桑田さんは「雨」にちなんだ童謡の他、壮年男性に人気のフォスター(「おおスザンナ」「懐かしきケンタッキーの我が家」etc.)の作品、「トロイカ」でおなじみのロシア民謡(歌声喫茶などでも定番ですね)を取り上げ、指導に当たられました。

そしてソロ演奏では、「野ばら(シューベルト)」「君を愛す(グリーグ)」に続けて、「涙そうそう」を歌われました。二期会会員の桑田さんは、もちろんオペラがご専門ですが、今回は主催者様のご希望で「涙そうそう」を選ばれたのだそうです。介護施設等でのボランティア演奏で、リクエストに答えて美空ひばりさんの曲等も歌う桑田さん。ジャンルにこだわらず、心を込めて歌える曲は積極的に取り入れていらっしゃるそうです。今回もまさに「一曲入魂」でした。 私は2ndアルバム収録曲より、「雨だれの前奏曲(ショパン)」と「アラベスク 第1番(ドビュッシー)」を演奏させていただきました。

 

「プロなのだから、2,3曲演奏するくらい簡単」と思われがちです。確かにプロの演奏家は、いつでもすぐ弾ける・歌えるレパートリー(持ち曲)をたくさん持っていますから、演奏そのものは何でもありません。

でも、お客様の前での演奏には魂が要るのです。たとえ楽しげな曲でも、どんなに短い曲でも、魂を込められなければ、本当の演奏になりません。オペラか歌謡曲か、クラシックかポップスかも全く関係ありません。

ただ有名な曲を弾けばいいのではない。弾くからには、自分が心から共感できる曲を、魂を込めて弾く。私の信念です。気力・体力ともに消耗しますが、そうせずにはいられません。

「演奏家は身体が資本」と言われますが、その本当の意味をつくづく思い知らされました。今の私は「鍛える」より「疲労回復」が必要に感じます。今度の土曜日はヴァイオリンとの共演。今日はリラックスして、身体と頭を休めます。

 

’09.6.14

藤沢リラホールでの4度目のリサイタル「水の響き 鐘の響き」。開催時期の変更(9月→6月)、未だに懸念されている新型インフルエンザなど、心配事もありましたが、たくさんのお客様にご来場頂き、感謝の気持ちでいっぱいになりました。プログラムは、「2ndアルバム発売記念」と銘打ち、前半がシチリアーノ(パラディス)/ヴェニスの舟歌(メンデルスゾーン)/雨だれの前奏曲(ショパン)/雨の庭(ドビュッシー)/水の戯れ(ラヴェル)/水の反映(ドビュッシー)、後半は、前奏曲「鐘」(ラフマニノフ)/鐘の音(グリーグ)/鐘の谷(ラヴェル)/ラ・カンパネラ(リスト)/沈める寺(ドビュッシー)です。

先週のリハーサルで感じた「皆さんに聴いてもらっている嬉しさ」。音大受験の頃から見失ってしまっていたこの感覚を、やっと、やっと取り戻してきました。この1週間で「早くお客様の前で弾きたい」という気持ちがとても大きくなってきたことに自分でも驚いていたのですが、その感覚を信じて良かったと思います・・・。

自分でも「落ち着いて演奏できた」と思いましたが、リサイタルは長丁場、集中できなかったところもまだあり、反省です。藤沢リラホールの音響はやはり素晴らしく、ペダルを工夫しての残響音作りがやりやすかったです。前回の課題だった「余韻を自分でも楽しむ」ことができ、お客様からのアンケートやメールでも、お褒めの言葉をいただきました。ありがとうございます!

 

開演中、お客様からの拍手がこれまでより小さく感じ、実は少し不安に思っていました。テーマを設けた選曲で、必ずしも「有名曲」ばかりではない藤沢のプログラム。今回はpp(ピアニシモ・とても小さく)で静かに終わる曲が多かったこともあり、全然盛り上がっていないのだろうか・・・。でも、今日は余韻がだんだん消えていく様を味わっていただきたいプログラムです。私もコンサートで静かに終わる曲を聴いた時は、やはりその余韻をじーんと味わい、いきなり大きな拍手はしません。「ここで自分が不安をつのらせていては台無し」と信じ、ステージを続けました。

 

日を置いて、録画ビデオも確認しました。以前から気になり始めていたのですが、自宅のホームビデオでは、弾いた音そのものは再現できても「倍音(振動数がもとの音の整数倍になる音)」が再現しきれません。録音MDのほうが少し良かったので、ビデオは「お客様目線」を確認するにとどめ、演奏やトークはMDで確認しました。

うーん、前回より進歩しているものの、思っていたよりも少し前のめりに聴こえる・・・。この辺は精神的な余裕がもっともっと必要、というところでしょうか。演奏もそうですが、トークもかなりゆったり間をとった部分のほうが自然に聴こえました。

音色そのものに関しても、「繊細」「透明」「柔らかい」と評されてきて、それが自分の持ち味であろうと思っていました。でも今、それだけではとても物足りなく感じます。「パワー」「エネルギー」「キレ」などは「自分にはムリ」と決めつけていたところがありましたが、今出来ることを損なわずに、もっと表現の幅を広げられないか・・・。新たな欲が出てきました。

 

’09.6.11

6/14・藤沢リラホールでのリサイタルチケットを販売して下さっている、横須賀の楽器店(株)オクターヴさんより、「扱い分チケット完売」のお知らせをいただきました。ありがとうございます!。

オクターヴさんは、私が横須賀市出身ということで、藤沢と横須賀のリサイタルチケットをお取扱い下さっています。横須賀はもちろん、同じ神奈川県内でも少し離れている藤沢のチケットも毎回完売して下さり、本当にありがたく思います。お求め下さったお客様お一人お一人に、本当に「来て良かった」と感じていただけるリサイタルにします!

 

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