’09.9.19

9/27「ピアノ名曲コンサート vol.4」の通し練習を、当日の会場・ヨコスカベイサイドポケットでしてきました。ナレーションの伊礼清子さんもご一緒下さいました。

新型インフルエンザ拡大が懸念される中、入口ロビーやホワイエにも「消毒スプレー」が完備されていて、ホールの対応のきめ細やかさを感じました。

当日と同じ会場で事前練習が出来るのはとても有難いこと。今日は温湿度計も持参し、ライトが当たったステージの温度・湿度も測りました。
ヴァイオリニスト・千住真理子さんの本で、「ステージは暑いので、照明は少し落としてもらっている」ということが書かれているのを読み、なるほどと思ったのがきっかけです。ステージ上の温度が30度未満になるよう、スポットライトの数を調節していただきました。
それでも28度前後は夏場の気温と同じです。今日は曇り空で涼しい日でしたが、お天気の良い日や湿度の高い日は、お客様が運んでこられる空気と相まって、もっと上がることがあります。

私は特に暑がりなので、まるでマラソン選手のようですが、温度・湿度をチェックし、少しでも体力の消耗を防ぐことに念を入れました。
給水(これまたマラソンのようですが)も、500mlペットボトル1本ではとても足りず、もう一本以上+スポーツドリンクが必要と分かりました。
何となく食べ、何となく飲んでいるだけでは、やはり演奏家生命を維持できないのですね。

 

伊礼さんのナレーションは、いつもながらとても安心できるものでした。
同じく「2ndアルバム発売記念」と銘打った今年6月の藤沢リラホールでのリサイタルと同じ曲もあり、私自身がトークで使った原稿をあえてほとんどそのまま使っているものもあります。
伊礼さん曰く「6月のコンサートを思い出して、ピアニスト高橋希代子の思いをそのままお伝えしたい!と、気持ちを強く込めるところを決めた」とのこと。
だから何の違和感もなく、心地よく聴いていられたのですね、感謝です。
それでも「語り手・伊礼清子」の声で伝えられるナレーションは、一味も二味も違う・・・。決して単なる「プログラムの曲目解説を目で追うより分かりやすい」という域にとどまらない伊礼さんのナレーション。ヨコスカベイサイドポケットでの「ピアノ名曲コンサート」には欠かせません。
本当に有難く思っています。

 

翌日から録画したビデオで全体像と細部のチェック。練習や本番をビデオ録画するようになってずいぶん経ちますが、「自分が弾いている、動いている、しゃべっている姿」を見ることに、もうすっかり慣れてきました。
リハーサル時は客席から録れますので、見ている時は完全に「批判的な聴衆気分」です。「今の何だか重いねぇ」「ここのバランスは良いね」「ここはちょっと浅い感じ?」「今の曲、音色いいねぇ」などなど・・・。

本番が近づくと、自分でも気づかないうちに演奏に現れてくる「焦り感」。リラックスし、ゆったり弾いたつもりでも、本来の演奏時間との差はありません。
普段の生活でもリラックス感を心がけ、体調を整えていきたいと思います。

 

’09.9.17

いつもお世話になっている横須賀地区の地元ラジオ局「FMブルー湘南(78.5MH)」さんの番組収録(9/19(土)16:00〜17:00「ウェルカム・スタジオ・スペシャルバージョン」放送分)に行ってきました。いつもリサイタルのチラシ設置・ポスター掲示までして下さっています。ありがとうございます!

「ウェルカム・スタジオ」へお邪魔するのは今年6月に続き2回目。
1stアルバム・2ndアルバムの曲もかけていただきながら、「改めて自己紹介」「ピアニストとして日々心がけていること」「9/27の ヨコスカベイサイドポケットでの『ピアノ名曲コンサート vol.4』」の3つをお話させていただきました。

パーソナリティのヴォーカリスト・鈴木初音のHPもリンクを貼らせて頂いていますので、ぜひご覧下さい。8月末にミニアルバムを発売された鈴木さん。今日はCDジャケットにサインもしていただき、感激です!

 

 

’09.9.12

「タワーレコード渋谷店」さんの6階クラシックフロアで、2ndアルバム「ドビュッシー:沈める寺」の発売記念イベントをさせていただきました。
「タワーレコード渋谷店」さんは、6階のスペース全てがクラシックジャンルのCD。その品揃えは圧巻で、現代音楽や邦人作品のCDも充実しています。学生の頃から、CDを探す時はこのお店に来ていました。
今日は「ディスククラシカジャパン」のプロデューサーさんとのトークも交え、約30分のイベント。ショパン「前奏曲 No.15  雨だれ」とドビュッシー「水の反映」、そしてアルバムタイトルでもある、ドビュッシー「沈める寺」の3曲を演奏しました。

1stアルバム「花の歌〜ピアノ名小品集」発売の際は、「ヤマハ銀座店(現在は移転改装中)」さんで同じく発売記念イベントをさせていただきました。今回もこのような場で演奏させていただけるのは、とても光栄なことです。

6階のイベントスペースは、それほど広くはありません。お客様がもう目の前にいらっしゃる状態で、ピアノはCDやDVDの陳列棚に囲まれるように置かれています。でもそのピアノは「ヤマハC7」とかなり大型のグランドピアノ。入店してすぐ、少しだけ試弾させていただけましたが、とても良い状態のピアノでした。

広くとも閉ざされた空間であるコンサートホールとは違い、店頭でのイベントは人の足音、話し声などの音が交じり合う中での演奏となりますが、お客様がとても集中して聴いて下さっているのを感じました。
2ndアルバムのコンセプトは「ピアノの音色の美しさを、しみじみと感じられる曲」で、pp(ピアニシモ・とても小さく)で余韻を静かに響かせながら終わる曲が多いのですが、最後の響きが消えるまで、じっと耳を傾けて下さいました。
「聴衆が演奏家を育てる」という言葉がありますが、お客様の表情まで見える場で、まさにそれを思いました。本当に有難い機会でした。

今後お店では、「イベント実施アーティスト」の黄色いステッカーをCDに貼っていただけるそうです。皆さんに見ていただければ嬉しいです。

渋谷の駅周辺は、ご存知の通りたくさんのお店から大音量の音楽が流れている場所。4、5分歩くだけでも耳が痛くなってしまいます。今日は駅からの往復では「耳栓」をつけて歩きました。繁華街を歩くときは、耳を守るよう気をつけたいですね。

 

’09.8.12

話題の映画「クララ・シューマン 愛の協奏曲」を観てきました。クララ・シューマンはご存知の通り、「トロイメライ」等で有名なロベルト・シューマンの妻であり、ピアニスト・作曲家でもあった女性です。使われている音楽が、シューマン夫妻の作品はもちろん、もう一人の主役・ブラームスの作品で、クラシックファンにはたまらない映画。私も公開前からとても気になっていました。

実は、映画館で映画を見るのが苦手です。音が大きすぎるからです。自宅でテレビやDVDを見るのと違い、映画館ではボリューム調節など出来ません。普通はその大きな音を「迫力」というのだと思いますが、以前、観賞後に軽い難聴のような状態になってしまったことがあり、それ以来ずっと映画館には足を運べずにいました。今日の映画は先に観ていた知人から「大丈夫ですよ」と教えてもらっていましたので、観に行くことが出来ました。

観ていて本当にいろいろなことを感じ、考えました。女性が表舞台で活躍することなど考えられていなかった時代、時代の先を行く女性を取り上げた作品は、これまでにもありました。この映画はブラームスの末裔でもある監督が「クララの美しさを取り上げたかった」と語るとおり、クララ・シューマンの先駆性ばかりでなく、その美しさ、感性と知性の深さが見事に描かれていました。

夫ロベルトの代わりに指揮をする場面がありましたが、演奏会場の大きさに少し驚きました。現在のコンサートホールを見慣れていますので、舞踏会が出来るような広さを想像していたのですが、やや広めのサロン、という感じでした。背景の街並みや俳優の衣装よりも更に「シューマンが活躍した時代背景」を感じました。

映画も、テレビドラマも、小説も、観ていると、読んでいると本当に色々なことを感じ、考えます。人の感情が丁寧に描かれている作品は、それがどのような感情であれ、心の奥深いところまで届きます。あとあとになっても、その様々な場面が回想でき、気持ちを豊かにしてくれます。逆にそうでない作品は・・・神経を逆なでされたような状態になり、イライラとしたものだけが残ってしまいます。これからも作品選びは慎重にしよう・・・改めてそう思いました。

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