’09.12.31

今年も最後の日となりました。今年は11月・12月を「充電の月」にする予定でしたが、風邪をこじらせて肺炎になり、入院せずに済むとホッとしたのもつかの間、治りかけてはまた風邪をひき、結局年明けまで治療する羽目になりました。
コンサートが詰まっているような時期でなく、充電月だったのがせめてもの幸いです。
でも今回のことは、体調管理を改めて見直す良い機会となりました。
以前読んだヴァイオリニスト・千住真理子さんの本に「自分にとって、ヴァイオリンを弾いていることが一番の健康法」という箇所がありました。故障や体調不良を続けていた私にとって、それは衝撃的でしたが、今は本当にその通りだと感じます。

色々な故障や体調不良を経験し、回復方法を模索し、何よりも身体と精神の状態に気を配る(身体の声を聴く)中で、今の自分なりの対処方法を見つけました。
私にとって「ピアノを弾いていること」が一番幸せです。日々心がけていることは全て「弾くため」です。それがぶれないようにしなければ。
ケガでも病気でも、身体の具合が悪いと気が滅入ってしまいますが、「治療はちゃんとする。決して無理をしない。あとはもう気にしない。」でいきたいと思います。
今年はコンサートの他にレコーディングも出来ました。
そしてたくさんのコンサートを聴き、本を読み、映画まで観ることが出来ました。
それによって色々なことを感じ、考えました。
今年の日々の積み重ねが来年どうなっていくか、来年はどんなことを感じ、考えるか、今からとても楽しみです。

追記 ’09.11.20

セルゲイ・シェプキンさんのピアノリサイタル「J.S.バッハ 平均律ピアノ曲集第2巻全曲」を聴いてきました。
肺炎で何も食べられないにも関わらず、です。
来年の4月に横浜・大倉山記念間での「大倉山水曜コンサート『J.S.バッハ 平均律ピアノ曲集第2巻』全曲リレーコンサート」に出演させていただくこともあり、どうしても今日の演奏を聴きたかったのです。
なのにこんな体調になってしまって、当日まで行くか悩みましたが、思い切って出かけました。
すでに発売されているCD(輸入盤)も「G.グールド、S.リヒテルに並ぶ名演」と評判なだけあり期待していましたが、フラフラになりながらも行った甲斐がありました。温かみのある音色、ハーモニーの美しさ(対位法的楽曲ですが、各パートの重なった響きが本当に美しかった)、生き生きとした表現に、久しぶりに「心が洗われる」という思いをしたように思います。

会場でCDも無事に買え、安堵して帰路に着きました。
CDは今もしょっちゅう聴いています。リサイタルもそうでしたが、今の私が理想とする演奏で、数え切れないほど聴いているのに全く飽きるということがありません。
出かけたことには何の後悔もありませんが、翌日からの「勤労感謝の日3連休」は、ずっと寝込む羽目になりました・・・。

’09.12.11

東京都交響楽団の「都響スペシャル 横浜公演」を聴いてきました。指揮はジェームス・デプリーストさん。曲目は、モーツァルト「交響曲 No.41『ジュピター』」とホルストの「惑星」全曲です。
ホルストの「惑星」は第4曲の「木星」が特に有名ですが、私は最終曲「海王星」のエンディング、あの女声合唱だけでフェイドアウトしていくエンディングを聴くと、いつも涙が出ます。
「声の美しさに勝る楽器はない」と言われますが、それをまざまざと実感させられる部分で、その意味ではベートーヴェンの「第9」よりもすごいと思っています。

ぜひ生で全7曲通して聴きたいと思っていましたが、演奏に約50分かかること、それに4管編成+ハープ2台にチェレスタ、オルガン、多くの打楽器、そして女声合唱ととても大きな編成のためか、なかなか聴ける機会がありません。
今回情報誌「ぶらあぼ」で見つけ、待ちに待った機会がやってきました。

「イギリスの第2国歌」とも言われる「木星」の有名な中間部が美しいのはもちろんですが、他の6曲も聴いていてとても面白いと思います。曲ごとの緩急、雰囲気の違いも、聴いていてワクワクしますし、オーケストレーションの素晴らしさは、実際にステージを観ているとよりリアルに伝わってきます。
そしてあのエンディング。舞台袖からかすかに聴こえてくる女声合唱の響きには、やはり涙が出ました。
もっとコンサートで取り上げて欲しい曲ですが・・・。
「組曲」なので「交響曲」や「交響詩」とタイトルの付いた曲より低く見られてしまい、指揮者やオーケストラが取り上げたがらないのかもしれません。

今日は一日中あいにくの冷たい雨。移動中にやはり冷えたのか、また風邪気味になってしまいました・・・。

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