‘10.1.4

 〔平野啓一郎さんの「葬送」〕

 年末年始に、平野啓一郎さんの小説「葬送」を読みました。ショパンと画家ドラクロワ、小説家サンドの関係を軸とした、二部構成・1200ページ以上の大作です。

1849年10月30日・ショパンの葬儀の日に始まったところから、そのリアリズムに引き込まれました。昨年からショパンの伝記や関連書を読み続けていることもあり、まるで見てきたかのような描写に圧倒されました。
本当に聞こえてきそうな人物の会話。聴衆の心のひだまで見えてくるようなコンサート場面。何よりも、当時のパリ街中の空気や室内の雰囲気まで目の当たりにしているようで、映画を観ているかのようでした。
ショパン臨終の場面は、読んでいて手が震えました。

私は映画やテレビドラマよりも小説の方が、音がない分、安心して入り込めます。
それに、優れた小説は作品全体に作者独自の空気感が流れているもの。それを感じるのもとても楽しいです。
今年も素晴らしい本との出会いが楽しみです。

 

’10.1.2

 〔事始めと自宅の電子ピアノ〕

1月2日は事始めの日。近所迷惑にならないよう、3が日まではグランドピアノではなく、ボリュームを絞った電子ピアノで練習です。

自宅の電子ピアノは、ヤマハ:クラヴィノーヴァ「CLP170」。
かなり前の機種ですが、当初は「ヘッドホンを使っての夜間練習用」程度に考えていました。
でも今では、電子楽器ならではの機能が、とても重宝するようになりました。
ピアノ以外の音色、特に弦楽器やオルガンなどは、打鍵した瞬間に減衰していくピアノと違い「伸びる音」なので、対位法的な曲の練習に便利です。
音の高さの微調整(A3=427〜Hz453Hzまで0.1Hz単位で調節できる)や平均律以外の音階(純正律や中全音律、ヴェルクマイスターなど、平均律ができる前の調律法)も、弾いて聴いて実感できます。
また、グランドピアノは客席で一番よく聴こえるように作られた形のため、音の出る場所(ハンマーが弦を打っている場所)が自分から離れています。
特に譜面台を立てて弾いていると、聴こえにくくなってきますが、この電子ピアノは足元のスピーカーが自分に向かってついているので、耳が疲れている時に重宝しています。
練習がマンネリ化しないよう、大活躍してくれています。
他にもたくさんの機能があって、疲れた時には内蔵されているデモ演奏を流してリラックスすることも。

普段はタッチの重さを一番重くしているのですが、昨日何も弾いていないこともあり、手に負担をかけないよう、一番軽い「Light」にして弾いてみました。

弱いタッチで大きい音が出るため、力んでいると途端に音が割れるのです。脱力が完全に出来ているかのチェックに使えることに気づきました。
普段の練習中「なかなか力が抜けない・・・」と思った時に使える!と思いました。

あくまでサブとして買った楽器ですが、楽器はやはり長く付き合うもの。
新たな使い方を見つけられて、嬉しい事始めになりました。

 

’10.1.1

 〔明けましておめでとうございます〕

新しい年を迎えました。今年は風邪をひいたままで「外出しないお正月」になってしまいましたが、落ち着いた心で過ごす良い機会と思い、ゆったりした元旦になりました。
「これも悪くないなぁ」と思いつつ、つい「心身ともにラクな状態」をチェックしてしまう私。リラックスにも修行が必要なのでしょうか・・・。

今年はショパンとシューマンの生誕200年にあたります。コンサートも多くて、情報誌はすでに「行きたいチェック」でいっぱいになっています。
まずはこの風邪を治さなければ・・。

 

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