’10.3.19
〔NHKの「スーパーピアノレッスン」〕

毎回楽しみにしているシリーズ。今回の講師はトルコの巨匠、フセイン・セルメット氏でした。
レッスン中にセルメット氏が弾いてみせるお手本があまりにも見事でした。
1回の放送時間が短い(25分)ので、レッスン曲のほんの一部分だけしか聴けないのが残念でしたが、たった数秒の中に膨大な音色のパレットがあるのを感じました。
「今自分が感じているイメージでは、全然足りない!」と痛感しました。

日々のあわただしさに追われていると、感覚が枯渇していく・・・。
何かを表現したくて音楽をやっているのに、ふとマイナスの思考にとらわれると、その負のスパイラルにはまってしまい、表現欲求が打ちのめされてしまいます。
何かを美しいと感じたり、感動することも、だんだんしんどくなってしまいます。

最終回の今日、「生徒へ伝えたかったこと」としてセルメット氏は「自分自身の教師になる方法・訓練」と仰っていました。
「生身の自分に向き合い、自分の姿ありのままを認識し、受け入れる。
たやすいことではない。
自分の耳を信じないと、自分の演奏は聴こえない。」
今の私に言っていただいているようなアドバイスでした。


’10.3.18
〔ショパンの楽譜について・2〕

ピアノ音楽誌「ショパン」4月号の特集「ナショナル・エディション 大検証!」を読みました。
ショパンの母国・ポーランドで、国家事業として進められているショパン全作品の編集作業で、「ショパンコンクール」では2005年度から「使用推奨楽譜」とされている「ナショナル・エディション」。
ピアニスト(ショパンコンクールファイナリストを含む)やピアノ教師の意見、2010年度審査員・小山実稚恵さんのインタビュー、ナショナルエディション日本語訳に携わっている河合優子さんの対談など、様々な角度からまとめられていて、とても興味深く読みました。

2005年のショパンコンクールでは、「使用推奨」とされながらも、まだ作品が完全に出揃っていない状況だったせいか、第1位のラファウ・ブレハッチさんはじめ、「使ったことがない」というファイナリストが多いことに驚きました。
私もこれまでいろいろと比較・検討し、今年度のコンサートで使用する楽譜は決めていますが、来年度以降どうするかは未定です。

かつて、ショパン没後100年の1949年に同じくポーランドの国家事業として刊行が開始・1961年に完結した「ショパン全集(通称・パデレフスキ版)」も、当初はかなり違和感を持って受け止められていたそうですし、「ナショナル・エディション」も浸透するまで時間がかかると思います。

いずれにしても、ショパン作品について改めて推考する大きなきっかけになっているのは確か。
「どんなに弾きなれた曲でも、いつも新鮮な気持ちで臨む」のは演奏家の座右の銘ですが、またとない機会になっていると思います。


’10.3.11
〔2ndアルバム〕
1stアルバムに引き続き2ndアルバムも販売して下さっている、横須賀の(株)オクターヴさんから、「委託販売分完売」のお知らせをいただきました。いつもありがとうございます!

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