'12.1.21
〔1/21放送/FMブルー湘南「スカッとスカぴあ」〜 ピアニストの寒さ対策〕


2012年7 月21日(土)開催のクラシックピアノ音楽祭「スカぴあ」。

昨年から、ラジオ番組「スカッとスカぴあ」も始まりました。

「スカッとスカぴあ」は、FMブルー湘南(78.5MHz)で毎週土曜日10:40〜11:00の放送。
スカぴあメンバーの、宮川久美さん、小泉耕平さん、平田真希子さん、私、
そしてスカぴあジュニアの高梨壮一郎君が、交代で出演しており、月に1回当番が回ってきます。
私の出演分を、随時ご紹介して参ります。

話す内容は、コンサートのPRや取り組んでいる曲のこと、日々の練習のことなど自由ですが、「クラシック音楽番組なので、クラシック曲を必ず1曲かける」のがルールです。
今日1月21日のタイトルは「ピアニストの寒さ対策」です。
昨年秋に「ピアニストの暑さ対策」というお話をさせて頂いたので、その続編という感じで…。

『コンサート本番中ですが、コンサートホールのステージは、強いライトが当たっているので暑くなります。
客席とステージでは、だいたい7℃くらい差があります。
客席が快適な22〜23℃だと、ステージは30℃近くになります。
なので、本番中の寒さ対策というのは、基本的にはありません。
楽屋・控室から舞台袖へ移動する時は、袖なしのドレス1枚では寒いこともあるので、何かはおっていれば良いですね。
暑さ対策の方が切実です。

ただ、学校の体育館や講堂など、あまり気密性が高くないところでは、冬場は冷え切っていることがあるので要注意です。
ピアノも冷え切っていて、鍵盤も冷たく、まるで冷たい水に触れているようで、弾けば弾くほど冷たさが腕から身体に伝わってくる…
これはとてもつらいです。
ピアノの上に熱いものを置くのは厳禁なのですが、ハンカチに包んだ使い捨てカイロを鍵盤に置いて、温めながら弾いたこともありました。

以前、北海道・旭川でのコンサートで、9月頃だったのに、雨で寒い日がありました。
まさか9月で寒いとは思わず、袖なしのドレスしか用意していなかったので、困りました。
寒い地方に行く時は、衣装にも気をつけないといけませんよね。不注意だったと思います。


普段の練習の時は、そのお部屋によります。
日当たりの良い部屋だったら、普通の部屋でも、昼間は暖房なしでも大丈夫ですよね。
ただ、ピアノとか音を出す部屋は防音が大切なので、窓が大きくて日当たりの良い部屋で練習している人、というのはあまり多くないです。
窓があっても雨戸やサッシを閉めっぱなしとか、日がほとんど当たらない部屋は、底冷えします。
防音のために、地下や半地下の部屋にピアノを置いている方もいますが、夏の湿気も大変だけど、冬の底冷えもつらいとか…

暖房器具は、音の出ないものであれば大丈夫。
私は足元だけ暖かければ良いので、時々小さな電気ストーブを使う程度です。

湯たんぽはエコで良いのですが、ピアノの演奏は、椅子にすわりっぱなしでも絶えず重心を移動していて、かなり色々な動きをするので、膝に乗せていても、すぐにずり落ちてしまいます。
身体や服に貼るカイロなら、良いと思います。

まだまだ寒さが続きますが、節電を心がけながら、上手に体調をキープしていきたいです。



今日の1曲は、ドビュッシーの「雪は踊っている」。
一人娘クロード・エンマの日常を描いた、「子供の領分」という曲集の中の1曲です。
ちらちらと舞う雪、その様子を、幼い娘が部屋の中から眺めているのでしょうか。
雪の精が歌っているのか、メロディーもかすかに聞こえてきます。

おかけするのは、何とドビュッシー本人の演奏です。
20世紀初頭ですと、録音が残っているんですね。
オルゴールとよく似た仕組みの自動演奏ピアノで、ロール紙という穴のあいた巻き紙を通して再生します。

ドビュッシーは、もともとはピアニストを目指していたので、自分の曲もいくつか録音していて、これからお聴きいただくのは、1913年・ドビュッシー51歳の時の録音です。』

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