2012.4.21

【青木三木栄さんとのデュオリサイタル】

ユニセフ支援チャリティーコンサート「春風にのせて 青木三木栄・高橋希代子デュオリサイタル」で、フルーティスト・青木三木栄さんと共演致しました。
昨年4月に予定されていたコンサートですが、震災の影響で中止となり、今日の開催となりました。


毎回違う楽器の奏者を招いて開催されている、このコンサート。
今回は「春の歌」に始まり、「ハンガリー田園幻想曲」「小舟にて」「カルメン幻想曲」など、フルートならではの音色と多彩なテクニックを堪能できる曲に、
「人生のメリーゴーランド」「ホール・ニュー・ワールド」などのポピュラー曲も交えたプログラムです。
また、ピアノソロで「幻想即興曲」「月の光」「ラ・カンパネラ」の3曲も演奏しました。


会場のピアノはフルコンで、持っている音色も良いのに、1年近く使われていなかったそうで、リハーサル中は鳴りが良くありませんでした。
フルートとのデュオがメインとはいえ、タッチコントロールがしにくいと、とても弾きにくいものです。

ピアニストは基本的に、会場にあるピアノで全てのことをしなければなりません。
まさに「運命共同体」という感覚です。
あきらめてしまっては、出るものも出なくなるのは人間と同じ。
「今日はよろしくね」と、気持ちを入れるようにリハーサルをしました。

リハーサルで全曲通しておいたので、幸い本番では、響きが出てきてくれて、ホッとしました。


終演後は控室で、コーヒーやお菓子をいただきながら、主催者の皆様と談笑。
20〜30分くらいの時間でしたが、毎年のコンサートの準備のことなど、楽しいお話を伺うことが出来ました。

コンサートやイベント準備の大変さは、私達演奏家も身にしみています。
そして、お客様の笑顔、「楽しかったよ」「次回も楽しみにしています」というお声が何より嬉しいのも、皆同じです。
やるからには、本当に良い演奏をして、充実したコンサートにしたい。
まさに初心忘れるべからず。
とても引き締まった気持ちで、会場を後にしました。

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2012.4.15

【 リサイタル「ピアノ名曲コンサート vol.7 フランスピアノ名曲集」 】

ヨコスカ・ベイサイド・ポケットでのリサイタル「ピアノ名曲コンサート」。
リクエスト曲の中から曲目を決め、ナレーション(伊礼清子さん)で曲目解説をするスタイルのこのコンサートも、7回目を迎えました。
今回は、生誕150年のドビュッシーを中心に、「フランスピアノ名曲集」と題したプログラムです。


1週間前からは伴奏合わせなども入れず、体調キープを心がけましたが、
今回は、あまり複雑でない曲や何度か弾いている曲でも、暗譜に思いのほか時間がかかり、頭がとても疲れたように思います。
この春は、曲目の違うコンサートが続いていますが、まずは心身ともにクリアでないと、覚える→外に出す(演奏として表現する)という一連の作業がスムーズにいきません。
「体調第一って、こういうことなんだ…」と、思い知らされました。

今回は、プログラミングについても反省がありました。
ドビュッシー生誕150年の今年、「ドビュッシーを中心に、フランスものでまとめるプログラム」は、メリハリをつけるのが難しかったのです。

このコンサートは、「知っている曲、聴いたことのある曲」をコンセプトにしていますが、
フランスもので、よく知られたピアノ曲というと、「月の光」や「アラベスク」「ジムノペディ」など、ゆったりした曲、しかも静かに終わる曲が多くなってしまいます。
作曲された時代も、19世紀後半から20世紀初めに集中しており、どうしても曲調が似てきます。
CDで聴くなら良いですが、ライブの場合は流れが緩慢にならないようにしなくてはなりません。
バロック時代の曲や現代曲も入れれば変化がつきますが、「よく知られた曲」ではないのが現実です…


フォーレ「即興曲 第3番」は、テンポこそアレグロ(速く)で、終わりもフォルテ(強く)ですが、
変イ長調という穏やかさを感じさせる調性で、中間部はゆっくりした短調。
結局あまり変化がつかなかったようです。
もっと軽快さを強調する弾き方にした方が、良かったかもしれません。

「自己選択曲」として入れた、サン=サーンス「アレグロ・アパッショナート」は、パリッとしたテクニックで、終わりもダイナミックで華やかな曲。
メリハリがついたようで、とても好評でした。

「よく知られた曲」というコンセプトは外さず、「自己選択曲」は1曲だけ。
通して聴いた時のメリハリを、しっかりつける。
そして、プログラム全体のテーマ(「フランス名曲」など)も、ちゃんとある。
この条件を全てクリアするのは、かなり難しいもの。
人のコンサートを聴きに行く時、プログラム全体の流れも、もっと意識して聴くようにしたいと思います。

「次回聴きたい曲」のアンケートでは、作曲家14人、曲名49曲のリクエストをいただきました。
次回の演奏曲は、この中から選ぶことになります。
書かれた曲ひとつひとつに、じっくり向き合って決めたいと思います。


リクエスト欄に「ご自分の一番お好きな曲を、深めていって下さい」と書いて下さったお客様がいらっしゃいました。
ハッとしました。
とても有難いと思いました。

「お客様からのリクエストで曲目を決めるコンサート」であっても、自分の芯になるものがぶれてしまっていては、実演のコンサートをやる意味がありません。
会を重ねてくると、気持ちが何となく守りに入りがちです。
新鮮な気持ちで、自分の表現を追求し続けていくために、まずは心身をクリアに保てるよう、心がけていきたいと思います。

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2012.4.7
【 「名曲コンサート vol.7 」通し練習 】

4/15のリサイタル「ピアノ名曲コンサート vol.7」を控え、ナレーションの伊礼清子さんと一緒に、通し練習をしてきました。
ドレスも着て、本番通りに通します。

本番の1〜2週間前にする、この通し練習。
心身ともに本番同様に持って行くのですが、今日は身体のコンディションが、今ひとつのままになってしまいました。

集中力を保つのが精一杯、身体のだるさも気になります。
3月末から4月にかけては、FMやテレビの収録、「童謡の会」合わせと本番、「チャリティーコンサート」の合わせ、「ヴァイオリンリサイタル」の合わせ…
確かに、ハードではありました。

でも、ここで「今日は練習だから、適当でいいや」「今日は疲れているから、ほどほどに」などと気を抜いてしまっては、せっかくの通し練習の意味がありません。
「どんなに調子が悪くても、絶対に手を抜かない。」と肝に命じて弾き続けました。

「練習は本番のつもりで。本番は練習のように」は、鉄則。
ここで踏ん張れれば、本番時の安心感が違います。


翌日、ビデオ録画を確認。
音楽の流れは良く、安心しました。
今日から1週間は、合わせなどもなく、自分のリサイタル準備だけになります。
コンサートに向けて、よく「体調を整えて」と耳にしますが、つくづく身にしみました。
睡眠もしっかりとって、ベストパフォーマンスが出来るようにします。

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