2012.7.21

【スカぴあ〜横須賀ゆかりのピアニストたちによるクラシックピアノ音楽祭】

昨年2011年に第1回目を開催し、「すごく楽しい!」と大好評をいただいたクラシックピアノ音楽祭「スカぴあ」。
第2回目を開催しました。
前回よりお客様もずっと増え、とても嬉しかったです。

この音楽祭は、横須賀にゆかりのある4人のピアニストが出演。
4つの部(カテゴリー)+プレ・イベントから成り、昼間はソロ、夜はデュオ以上と、だんだんスケールが広がる構成になっています。
音楽祭パスポート(チケット)1枚で、どのカテゴリーも入場自由と、かなりお得な内容です。

ソロの部は「生誕150年 ドビュッシーものがたり」と題し、ドビュッシーの生涯をナビゲーター(田中井祐子さん)の語りで追いながら代表作を紹介する、というスタイル。
私は「映像」より、「水の反映」と「金色の魚」を演奏しました。

デュオの部は、ピアノ1台の連弾と、2台ピアノに分かれ、
2人で弾く曲だけでなく、1台のピアノを3人で弾く「1台6手」、4人で弾く「1台8手」、
そして2台のピアノを4人で弾く「2台8手」など、編成も多彩です。
私は1台の曲を4曲、2台の曲を2曲演奏しました。

夜の部開演前の「プレ・イベント 弾き比べ大会」は、同じ曲の同じ部分(今年はドビュッシー「アラベスク 第1番」の冒頭38小節)を、ピアニスト達が次々と演奏。
ピアニストによる表現の違いを、ダイレクトに楽しんでいただけるイベントで、今回も大好評でした。

今年はソロの部の前に「ジュニアの部」を設け、横須賀・三浦地区から推薦されたジュニアピアニスト3人に、出演していただきました。
各自のソロ演奏の他、音楽祭最後のアンコール曲(2台14手)にも加わっていただき、お一人はさらに、弾き比べ大会や連弾でも演奏。
次の世代を応援する内容は、お客様に好意的に受け止めていただけたようです。

お客様からのアンケートでは、
「弾き手によって音色が全然違って、おもしろい!」
「どの部もすごく楽しかった!」
「ぜひ横須賀の名物に!」
など、嬉しいご感想をたくさんいただきました。

後日、録画したビデオを見ながら、打ち上げ&反省会。
ピアニストそれぞれの個性が、思っていたよりもずっとはっきり感じられ、レベルを維持しつつ、とても楽しい音楽祭に出来たように思います。
ソロの準備はもちろん、連弾や2台ピアノの合わせが大変だったことも、すべて報われるような楽しさでした。

「ただのジョイントコンサートには、したくない」
「仲間内だけで盛り上がっているコンサートには、したくない」という思いを、皆でしっかり共有出来ていたからだと思います。
また、ジュニアの部を作ったことで、
「大人がジュニアよりショボかったら大変!」
という、良い意味でのプレッシャーもありました。

自分の弾き方の特徴も、皆が同じステージで演奏しているのを改めて聴くと、よく分かります。
欠点を何とかしていくのも大事だけれど、良いところや個性が感じられる部分を伸ばしていく方が良いのではないか…
人からはそう言われていましたが、今回やっと自分自身でそう感じることが出来ました。
もっと自分を大切にし、磨いていきたいと、はっきりと思いました。

実は7月初めに、風邪をこじらせて気管支炎になっていまい、咳が止まらず、困りました。
演奏中は不思議と咳が止まり、それだけは助かったのですが、その後がもう大変…
本番前にこんなに具合が悪くなるのは、初めて。
反省です。

来年度にむけての準備は、もう始まっています。
一つ新しい試みをすることも決まっています。
刺激し合い、切磋琢磨しつつ、尊敬し合える仲間は貴重で、本当に誇りに思います。
各自の演奏を磨いていくのはもちろん、曲目も吟味し、もっともっと楽しんでいただける音楽祭にしたい。
それこそ「横須賀の名物」になるよう、がんばりたいと、思います。

2012.7.7

【ファジル・サイ ピアノリサイタル】

トルコ出身のピアニスト、ファジル・サイのリサイタルを聴いてきました。
CD「サイ プレイズ モーツァルト」で衝撃を受けて以来、いつか生で聴きたいと思っていたピアニスト。
会場は、鎌倉芸術館の大ホール。
ここは1,500席ありながらも音響が良く、好きなホールです。


曲は3曲。
◯モーツァルト「トルコ行進曲付きソナタ」
・・・・CD収録曲。生で聴けて感激。
◯ストラヴィンスキー「ペトルーシュカからの3楽章」(サイ編曲)
・・・・最も好きなピアノ曲の一つ。
手の小さい私には演奏不可能な箇所が多いので、良い演奏を聴いて楽しむだけにしています。
◯ムソルグスキー「展覧会の絵」
・・・・言わずと知れた名曲。この曲も“聴くだけ”の曲。


身体全体から発せられる、キレ味の良いリズム、浪々と歌うピアニズムに酔いしれました。
1曲目のモーツァルトから、ブラボーの声が上がり、大満足。

それに、ピアノから、いろいろな音がするのです。
「オーケストラのよう」とは、ピアノ演奏を褒めるのに良く言われる言葉ですが、
オーケストラだけではない、アジア系の音楽(ガムランとか)を思わせる雰囲気まで感じられます。
「ピアノリサイタルだけれども、単なるピアノリサイタルではない」というような、不思議な体験でした。


お辞儀の時には、かなり疲れたような表情でしたが、アンコールに自作曲を4曲も披露してくれました。
曲名も確認したかったのですが、帰りに掲示を探しても見つけられず、残念。
(コアなファンなら、知っているはずの曲ばかりだったのかもしれません。)


曲目解説(鎌倉芸術館事業担当 金指万里子さんのお名前あり)も、文章が簡潔で読みやすいものでした。
よく知っている曲でも、自分が解説やトーク原稿を書く時の参考にするため、曲目解説には必ず目を通します。

プロフィール欄は、マネジメント側が準備したものなのか、チラシと同じものがそのまま載っていました。
中途半端な文章のような、ダラダラと長くて読みにくいプロフィールが多いのですが、なぜ箇条書きではいけないのでしょうか…?

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