2013.3/3 【リサイタル「グリーグ:抒情小曲集 全曲演奏会 vol.2」】

昨年2012年にスタートした、グリーグの「抒情小曲集」全66曲を5回に分けてお送りするリサイタルシリーズ。
第2回目を開催しました。
会場は、代々木上原駅徒歩2分の素敵な音楽空間「ムジカーザ」です。

《プログラム前半》
グリーグ「抒情小曲集 第3集」(全6曲)
グリーグ「抒情小曲集 第4集」(全7曲)

《プログラム後半》
シューマン「3つのロマンス op.28」より第2番
クララ・シューマン「3つのロマンス op.11」より第1番
シューマン「森の情景」(全9曲)

プログラム後半には、グリーグと関わりのある作曲家や記念イヤーの作曲家を取り上げています。
今回は、15歳でドイツ・ライプツィヒに留学した若き日のグリーグが最も感化された、シューマンを選びました。

窓から陽が差し込み、外の木々の影も見える会場にふさわしい「森の情景」。
その前に「ロマンス」を2曲。
グリーグはライプツィヒでクララ・シューマンの演奏を聴き、大変感銘を受けていますし、
今日3/3はひな祭りですから、女性作曲家の曲を入れても良いかなと思いました。
同年に作曲された「ロマンス」を続けて演奏することで、シューマンとクララの「ロマンス聴き比べ」もお楽しみいただこうという趣向です。

今回は、1曲目から比較的のびのびと演奏出来、自分のペースを維持出来たかなと思います。
小さな会場はお客様の反応がよりダイレクトに感じられますし、先生や知人のお顔が分かったりして、集中するのが難しいものです。
前回の反省も踏まえ、他のことを気にせず、音楽に集中するよう、練習の段階から全力を注いできました。

特に、歌い回しやテンポ感の問題。
間を十分に取らないと自分の持ち味が出ないのに、ゆったりと弾くことが怖くなっていました。
「より速く、より大きく」という価値観が頭に染みついているのか、
「ゆっくり弾いては評価が下がる」と思い込んでしまうのです。
録音を聴いて、「もっとゆったり弾いて良いのにな…」「もっと自由に弾けば良いのにな…」と後悔することを繰り返し、やっと、本当にやっと自分のペースを守る勇気が出てきました。


お客様は、音楽の流れに浸って下さったようで、とても温かい雰囲気の中で弾けたように思います。
7/13(土)の「スカぴあ 2013」でナビゲーターをお願いしている田中井祐子さんは、
「1回で終わってしまうのがもったいない! 他のホールでも開催出来たら良いのに」とおっしゃり、ブログにも感想を書いて下さいました。
(「スカぴあのブログ」で、ぜひご覧下さい)

後日、録画したビデオを確認。
やはりまだ完璧ではなく、わずかな堅さの気になる曲がありました。
うまくいっている曲と比べると、その差をはっきり感じます。
その差を何とか埋めるようにしていきたいです。

もっと色々な表現が出来る、という可能性も見えてきました。
落ち着いて音楽を運んでいけるようになったのだから、更に音色作りを工夫していきたいです。
もっと良くしたい、という思いには終わりがありませんし、
たとえ「会心の出来!」であったとしても、満足できることは永遠にないのかもしれません。

やっと自分のやりたいことが、落ち着いて出来るようになってきたことを噛みしめ、足元を踏みしめて、次に向けて精進していこうと思います。

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今後の願いは、宣伝を充実させることです。
良い演奏をすること、一度でも聴いて下さったお客様を大切にすることが第一ですが、
まずは公演自体を、もっと知っていただかなければなりません。


他コンサートでのチラシ挟み込みは前回からやっていますが、今回はピアノリサイタルへの挟み込みにも費用をかけました。
お客様へのアンケートでも、「チラシを見て公演を知った」というお答えが多く、前回よりも売り上げアップにつながったようです。
インターネット時代になっても、チラシはやはり強力な宣伝媒体。
挟み込むコンサートの数を更に増やしたいところですが、費用を考えると簡単ではありません。

新聞広告や雑誌広告はとても高価ですので、大きなスペースは難しいのが現実です。

また、チラシや広告を見ていただけても、知らない演奏家では、よほどプログラムが興味深いものでない限り、なかなかチケット購入につながりません。
ホームページの充実、YouTube掲載を増やすなど、地道な方法も積み重ねて、興味を持って下さる方を増やす努力を怠らないようにしたいと思います。

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チケットの形態ですが、会場が小規模(MAX100名)なこともあり、今回は「チケットレス・料金当日払い」という形にしてみました。

前回は「イープラス」を利用していました。
チケットは郵送され、料金は引き落としでOK、というのはとても便利なシステムですが、そちらで購入されたお客様がとても少なかったのです。
クラシックの公演はまだネット購入が定着していないのかな…という印象でした。
公演毎に委託登録料が必要なこともあり、小規模な公演ではその金額も負担でした。

今回の「チケットレス・料金当日払い」と、通常の「チケットあり・料金事前振込み」。
お客様へのアンケートでは「どちらでも良い」というお答えが最多でしたが、
お一人、「記念にチケットがあった方が良い」というご意見がありました。
なるほど、と思います。

「チケットあり・料金当日払い」にすれば、両方のメリットを取った形に出来るでしょうか。

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グリーグ「抒情小曲集 全曲演奏会」のシリーズ、次回vol.3は来年2014年3月1日(土)に開催します。
「抒情小曲集」の第5集と第6集、そして3/1生まれ(2/22説もあり)のショパンの作品を演奏します。

その時、今日の日記に書いたことが生かされているように、頑張っていきたいと思います。

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2013.2/22 【通し練習】

3/3(日)に予定しているリサイタル「グリーグ:抒情小曲集 全曲演奏会 vol.2」。
その通し練習をしてきました。
少し広い場所を借りて、ドレスも着て通します。

録画したビデオを見て、間の取り方や、通して聴いた時の流れを確認。
ほぼ流れに問題はありませんでしたが、もっと遊びがあっても良いように思いました。
もっと良くしたい、もっとのびのびと演奏したい…
欲を言えば本当にキリがありませんが、
当日の会場・ムジカーザは音響の良い所ですし、せせこましい感じにならないよう、もう少し自由に弾きたい感じです。

こういうことは、体調も気分も本当にリラックスしていないと、実現しづらいかもしれません。


コンサートの準備も、練習も含めて、どの作業にどの位の時間が必要か、やっと把握出来るようになってきました。
作業量が多くても、予定がきちんと立てられれば、精神的に楽になります。
同じ大変さでも、漠然と取り掛かるより、ゴールが予測出来ている方が良いですよね。

万全に準備したつもりでも、何があるか分からないのが常ではありますが、
結局は「万事を尽くして天命を待つ」。
何事も楽しんでいこうという気持ちで、過ごしていきたいと思います。



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