2013.12.28 【スカぴあ2014 オーディション】

来年7月26日に開催の「横須賀クラシックピアノ音楽祭 スカぴあ2014」。
ソロから4手・6手・8手連弾、2台4手、2台8手までをお送りする音楽祭です。
この音楽祭では、オーディションで選ばれた方を紹介するコーナーがあります。
今日はそのオーディションの審査をしてきました。

今回は「横須賀との関わりがある」という条件は取り払い、
部門も大学生以下の「ジュニアソロ」「ジュニア連弾」のほか、
30歳以上を対象にした「シニアソロ」「シニア連弾」も加えた4つの部門に分けて審査を行いました。


昨年よりさらにレベルの高い演奏ばかりで、聴き入ってしまい、講評を書く手が止まってしまうこともしばしば。
限られた人数しか選抜できないことを、本当にもどかしく思いました。

オーディションでは10分間の演奏に加え、面接(インタビュー)も行っています。
参加者の言葉の中からは、ピアノが好き、この曲が好き、他にも弾きたい曲がたくさん、という純粋な熱意がものすごく伝わってきました。

「自分はこのところ、経費や収支の金銭的なことや、今後のキャリアのことなど、音楽以外のことにとらわれ過ぎていたな…」
「音楽をやる根っこの気持ちを、初心を、すっかり忘れてしまっていたな…」
我が身を振り返り、反省しきりでした。


熱演続きのオーディションが終わりましたが、
惜しくも選に漏れた方にも何らかの演奏の場を用意したい、と痛切に思いました。
「スカぴあ」の規模をもっと大きくして、そういう場を設けられるようになりたいです。

オーディションの結果は、2014年1月10日頃までに、スカぴあのホームページに掲載致します。
審査員一同、自信をもって選抜させていただいた精鋭揃い。
お客様に応援していただける音楽祭になるよう、がんばっていきたいと思います。

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2013.12.20 【ゲルハルト・オピッツ ピアノリサイタル】

4年間・8回に渡って行われた、「シューベルト連続演奏会(全8回)」。
昨年聴いて感動した第6回目に続き、今日は最終回です。
シューベルト最後のピアノソナタ「第21番 変ロ長調 D960」が含まれており、
この1年、ずっと楽しみにしていたリサイタルです。

8月にチケットをゲット。
2階の真正面、しかも最前列という最高の席で、その馥郁たる演奏を存分に堪能することが出来ました。

今回のプログラムは、
「ピアノソナタ 第6番 ホ短調 D566」
「ハンガリーのメロディー ロ短調 D817」
「アレグレット ハ短調 D915」
「2つのスケルツォ D593」
そして、「ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D960」

最後のソナタ以外は、未完だったり、作曲の経緯が不明だったりして、あまり演奏されない曲。
シューベルトツィクルスでもないと、なかなか聴く機会もないかもしれません。
私も、最後のソナタが目当てで聴きに行ったクチです。

でも、こういった言わば地味な曲も、オピッツさんの演奏では響きが豊潤で、
非常に心地よく聴くことが出来ます。
このままずっと聴いていたい…
そんな想いで聴き入っていました。

前回の新聞批評では、
「人生を肯定したくなる、ストレートな喜びあふれる音楽」
と結ばれていましたが、今回もまさにその通り。
心がとても満たされていることを実感しました。

シューベルトツィクルスはこれで終わってしまいましたが、
またぜひ、オピッツさんの演奏を聴きたいと思います。


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一人の作曲家に集中すること。
私も、規模は全く違いますが、2012年から2016年までの5年間、「グリーグ:抒情小曲集 全曲演奏会(全5回)」を開催していて、
最終回は「オール・グリーグ・プログラム」で締める予定でいます。

一人の作曲家、その上「小曲集」に集中した公演を行うと、
何らかの固定されたイメージを持たれる可能性が、十分にあります。
それに、やるなら「抒情小曲集」だけでなどと小さなことを言わず、
「グリーグ:ピアノ曲全曲演奏会」をやるくらいでないと印象に残らず、
あまり意味がないかもしれません。

でも、2回を終えて、来年3月に3回目を迎えるという今、
たとえ小規模でも、全曲まとめてお客様にお届けすることは、それなりに意味があると思えるようになってきました。

オピッツさんのシューベルトツィクルスを聴いて得られた充実感を、
少しでも演奏に反映させていきたいと思います。

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