2014.3.23 【新日本フィルハーモニー交響楽団 コンサート】

「間近なお席でオーケストラを聴く贅沢」
555席の逗子文化プラザ・なぎさホールで、
下野竜也指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートを聴いてきました。


「オーケストラをそんなに近くで聴いたら、耳が痛くなるのでは?」
という心配はありません。
私にとっては、実にちょうど良い空間でした。

オーケストラは演奏者の人数が多いですから、1000席、2000席の大ホールでの公演がほとんどです。
私も何度も聴きに行きましたが、たまに奮発して良い席を取っても、響きが上に散ってしまい、
何の迫力も感じられずにガッカリすることが少なくありませんでした。

ホールによって、「2階席の正面が良い」とか、「1階の壁際の席が良い」など様々なウワサが飛び交い、
実際、そのような当たりの席もあるのでしょうが・・・

その点、なぎさホールなら、すべてがS席です。
昨年もやはり3月にも開催されましたが、聴きに行けず、残念。
今日はとても楽しみにしていました。


モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲
モーツァルト:交響曲 No.40 ト短調
ベートーヴェン交響曲 No.5 ハ短調 「運命」
という、ビックリするほど超有名曲を揃えたプログラムです。
(ピアノリサイタルでも、これほどのプログラムを組むのは勇気が要りますね・・・)

モーツァルトは音色がやや重く、全ての音をがんばりすぎな感じがしないでもありませんでした。
モーツァルトは難しいですね・・・

ベートーヴェンは、それがむしろ良い方向に作用したようで、とても引き込まれる演奏でした。
演奏者のお顔がはっきり見える距離。
間近で聴ける良さを堪能しました。

3/1のリサイタルの後、燃え尽きたのか、音楽の情感を感じ取るエネルギーが枯渇してしまいました。
このリサイタルではグリーグとショパンに集中していたこともあり、
古典作品の表現が思うようにいかず、困っていました。

クラシック音楽では、バロックや古典は基本中の基本。
絶えず鍛錬していないと、やはりガタがきます・・・
今日のプログラムは、その意味でも有難いものでした。

今日はホールの主催公演だったのに、「ブラボー!」の声がなく、残念。
以前に別のホールの主催公演でも、素晴らしい演奏だったのに「ブラボー」なしということがありました。
「サクラを用意してブラボーと言わせるなんて、邪道だ」という意見もあるかもしれませんが、
演奏が良くなかったら言わせなければ良いだけの話だと思います。

また、小中学生のチケット代が1,000円という破格(一般は4,500円)でしたが、
思ったより、それらしい子供さんは少なかったように思いました。
でも、親御さんが「1,000円なら、子供も連れて行こう」という気持ちになるのは確かでしょう。
このコンサートが定着していけば、中学生以下のお客様がもっと増えていく可能性はあります。


この規模のホールでは貴重な、オーケストラのコンサート。
ホール主催だから成り立っている公演ではありますが、
また機会があったら、ぜひ聴きに行きたいと思います。


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2014.3.1 【リサイタル グリーグ:抒情小曲集 全曲演奏会 vol.3】


一昨年2012年にスタートした、グリーグ「抒情小曲集」全66曲を5回に分けてお送りするリサイタルシリーズの、第3回目を開催しました。
会場は、代々木上原のアコースティックコンサートホール「ムジカーザ」です。

《プログラム前半》
グリーグ「抒情小曲集 第5集」(全6曲)
グリーグ「抒情小曲集 第6集」(全6曲)


《プログラム後半》
ショパン「5つのマズルカ op.6」

ショパン「3つのワルツ op.64」
ショパン「幻想ポロネーズ op.61」


グリーグの母・ゲシーネは、ハンブルグで学んだピアニストで、
幼いグリーグは母の演奏でショパンの作品を聴いていました。

ゲシーネはショパンより4歳年下ですので、
彼女にとってショパンの音楽は、いわゆる「現代音楽」。
なかなか進歩的な勉強を積んだ女性のようですね。

「マズルカ op.6」は通常4曲セットですが、
今回は5曲セットの「ナショナル・エディション」で演奏しました。
版によって音やリズムが異なることはよくありますが、曲数が違うのはいったいなぜなのか。
その推察も交えてお話しながら進めました。

プログラムの後半では、これまでにドビュッシー、シューマンを取り上げてきましたが、
今回のショパンでは、このピアノ(ベーゼンドルファー 200)での音色作りの難しさを感じました。
もう少し柔らかな余韻が欲しいなと思っても、
腕や身体の脱力が不十分なのか、硬さが残ってしまったように思います。

お客様へのアンケート、「本日のコンサートをどちらでお知りになりましたか」という質問では、
「ホームページを見て」というお答えが最多でした。
会場・ムジカーザのホームページ(美しいです!)も、私のホームページも、どちらもお答えにありました。

しかし宣伝は、YouTubeに前回の演奏をアップしたりしてきましたが、まだまだ不十分です。
何かもっと工夫出来ないか・・・と思いますが、まずは継続していかないと、始まりません。

次回vol.4は、来年2015年3月1日(日)。
「抒情小曲集」の第7集と第8集、そして2015年に生誕150年を迎える、シベリウスの作品を演奏します。
シベリウス作品は、グリーグ同様、ベーゼンドルファーのピアノに向いているように思います。
表現をもっと練り上げて、もっとお客様に楽しんでいただけるように、
また1年精進したいと思います。

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