2014.7.29【フェスタサマーミューザKAWASAKI 読売日本交響楽団】

今年で10周年になる「フェスタサマーミューザKAWASAKI」。
3年前に、震災で内部が破損してしまった「ミューザ川崎」の代替会場で聴いたきり、
しばらくご無沙汰になっていました。
今日は、読売日本交響楽団を聴いてきました。


様々な工夫が楽しいフェスティバルですが、
今日は30分程度の「プレ・コンサート」付きでした。

木管5重奏による、ラヴェル「クープランの墓」より
「プレリュード」「メヌエット」「リゴードン」。
弦楽合奏による、モーツァルト「ディヴェルティメント K.136」より
第1楽章&第3楽章。

どちらの演奏も、音の足と言うのでしょうか、響きの終わりが重くならず、
優雅な軽快さがありました。
ラヴェルやモーツァルトの演奏では、かなり重要な要素だと思います。
本公演への期待が、ますます高まります。

木管ではクラリネット奏者、弦楽ではコンサートミストレスがご挨拶をされ、
曲名もおっしゃっていたようなのですが、
このホールでは響きすぎてしまって、言葉がよく聞き取れないことも・・・
ホールでしゃべるのは難しいんだな、
リハーサルの時に、しっかりマイクチェックしないといけないな、と感じました(自戒を込めて)。

さて、楽しみな本公演は「オール・チャイコフスキー・プログラム」で、
「眠れる森の美女」より「ワルツ」
「ヴァイオリン協奏曲」
「交響曲第6番 『悲愴』」
指揮はシンガポールのダレル・アンさん。
協奏曲の独奏は松山冴花さんです。

骨太、かつ引き締まった演奏で、50分くらいかかる「悲愴」も、あっという間でした。
協奏曲の静かな部分で、やや単調に聴こえた時がありましたが、
全体の音色も美しく、終了後の「ブラボー!」もたくさん。
客席が明るくなっても、拍手が鳴り止みませんでした。

アンコールは、やはり「悲愴」恒例で、なし。
最近はやる楽団も多いそうですが、ない方がむしろスッキリするようです。

座席は3階席の正面でしたが、管楽器群の音がかなりクリアに聴こえ、
メロディー以外の線の絡みも立体的に聴こえてきて、興味深かったです。


このフェスタサマーミューザ、
以前は「休憩なし・70分」など、短かめの公演が多かったように記憶していますが、
今回は20時開演のジャズの日以外、全て休憩あり・約2時間のスタイルです。

内容は一般的なオーケストラ公演と変わりないのですが、
このフェスタには、選んで出かける楽しみがあるように思います。
洋服などで、たくさんの色が並べられていると、つい手にとって見てしまう、
そんな心理なのかもしれません。


客層は、平日・昼間のクラシックオーケストラ公演にしては、かなり若めな印象でした。
子供さんはあまり見かけませんでしたが、
翌日発行の速報チラシ「ほぼ日刊サマーミューザ」では、「お客様の声」欄に、
「夏休み兼自分へのごほうびで、午後休をとって来た」
という会社員の方のコメントが載っていました。

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会場入り口でもらえる、チラシの束。
受け取らない方も多いようですが、チラシは見ているだけでも楽しいですし、
情報収集のためにも、私は必ずいただいて持ち帰ります。
今日はやはり、オーケストラ公演のチラシがたくさん。
秋シーズンの案内はもちろん、年末恒例「第9」のチラシも。
もうそんな季節なのですね・・・

来年2015年の情報も、たくさんありました。
私はシベリウスの「交響曲第7番」が大好きで、一度生で聴きたいと思っています。
2015年はシベリウス生誕150年ですから、きっとどこかで聴けるだろうと思ったのですが、
今日は見つけられませんでした・・・残念。

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以前は、日本のオーケストラに物足りなさを感じていました。
入団するのは恐ろしいほど狭き門なのに、なぜこんなに演奏に生気がないのかと、
疑問ばかり感じていました。
でも、今は確かに変わっているのですね。
また聴きに行こうと思えるオーケストラが増えると、嬉しいです。

2014.7.27【デュフィ展】


音楽をモチーフにした、美しい色彩の作品で知られる、ラウル・デュフィの展覧会に出かけました。
会場は、Bunkamuraザ・ミュージアム。
Bunkamuraにはコンサートホールもありますが、
渋谷の喧騒を忘れさせる、落ち着いたデザインのエントランスで、
非日常感を味わえる素敵な場所だと思います。


デュフィの絵を知ったのは高校生の頃。
妹の高校の教科書に載っていたと思います。
高校の芸術科目では美術か音楽を選択しますが、
高校で音楽科に在籍していた私は、自動的に音楽を選択したことになり、
美術の授業は受けられませんでした。

デュフィ作品の美しさに感心し、
高校の美術の授業はこんなにも奥深くて面白いのかと、うらやましかった記憶があります。

今回は本格的な回顧展。
とても楽しみにしていました。

ほぼ年代順の展示で、マティスやセザンヌの影響が感じられる初期の作品、
日本初公開を含む、木版画やテキスタイルデザイン、家具、陶器を手がけていた頃の作品、
そしてあのリズミカルな色彩の世界へと、
経過による変化を楽しみながら見ることが出来ました。
クラシック音楽のコンサートも、作曲年順や、作者の生年順に演奏することが多いですね。


代表作が素晴らしかったのはもちろんですが、
今回初めて見た木版画が、とても印象に残りました。
色彩の魔術師は、モノトーンでもこんなに素敵なのですね。

今日は展覧会最終日で、しかも日曜日。
やはり混雑していました。
人にぶつからないよう、絶えず気をつけて歩かなければならないので、
なかなか集中して見ることが出来ません。
せっかく見るのですから、もっと来る日を調節しなければ・・・反省です。


展覧会の後は、絵葉書を買いにミュージアムショップへ。
絵葉書は図録より印刷が鮮明ですし、
葉書を書くことも多いので、キレイなものは何枚でも欲しくなってしまいます。

ただ、今回感銘を受けた木版画作品は見当たらず、ちょっと残念。
また、限定品の可愛い箸置きも狙っていたのですが、
最終日のせいか、品切れ多し・・・。

月並みですが、美しいものは気持ちが安らぐと実感しました。
もっと早い時期に来ていれば、もう一回見に来ることも出来たな・・・と、ちょっと後悔。
またの機会を祈りたいと思います。

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