2014.10.12【波の会 第24回定期演奏会】

「美しい日本語と香り高い歌」を目標に掲げて活動されている、
「波の会 日本歌曲振興会」湘南グループの定期演奏会で、伴奏を致しました。

この10月は、2週続けて台風に見舞われ、お天気がとても心配でしたが、
今日は幸い晴天に恵まれ、多くのお客様がご来場下さいました。

今回は、4人の歌手の方と、6曲を演奏しました。
4人の方は年齢もキャリアも様々ですが、伴奏合わせから本番に至るまでの間、
1曲1曲に対して真剣に取り組まれている姿勢が強く伝わり、とても刺激を受けました。


曲目が日本ものばかりというプログラムは、コンサートとしてかなり難しいと思いますが、
私が伴奏した6曲以外は全て作曲者自身の伴奏ということもあり、
とても興味深く聴ける内容になっていたと感じます。

コンサートの最後を飾ったミニオペラ「女たちの風と雲」は、
豊臣秀吉の死後、関ヶ原の合戦を目前にしたある日を、20分ほどのドラマに仕立てられた作品ですが、
舞台袖で聴いていても引き込まれそうになるような名演でした。
お客様からも、再演を望むご感想があったそうです。


色々な場で伴奏のお仕事をさせていただいていますが、
私はソリストに合わせすぎてしまう、と言いますか、テンポの引き締めが一番の課題でした。

今回、1ヶ月前の勉強会や今日の本番を通して、歌い手との駆け引きのようなものが、
気持ちの上でも感覚の上でも、やっとつかめてきたように思います。

本当に有難いコンサートでした。
この秋は、伴奏の本番が続きます。
今回つかめたものを、しっかり生かしていきたいと思います。

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2014.9.30【サロンコンサート in Early Autumn】

横浜市の指定文化財・イギリス館で、リサイタルを開催しました。
サロンコンサートは、昨年9月に同じく横浜市の「ひまわりの郷・音楽ルーム」で開催したのですが、
「椅子が固い」というご感想が多く、リピートを断念・・・。
改めて会場候補を探していました。


イギリス館は、横浜有数の観光地「港の見える丘公園」の隣にあり、
もとは英国総領事のお住まいだった建物です。
1937年の創建ですが、当時の家具などもそのままに残されていて、
英国的な美意識がそこここに感じられ、見学に訪れる観光客も絶えません。


小規模コンサートの会場としても人気が高く、土日祝日は抽選に外れてしまって残念でしたが、
平日でもとりあえずやってみよう、ということで、今日・火曜日の開催となりました。

平日ではありましたが、昼間の開催であったためか、
予想より多くのお客様にご来場いただけました。
また、台風の進路も心配だったのですが、幸い晴天に恵まれ、
とりあえず一安心しました。

今回のプログラムは、
シューベルト「楽興の時 第3番」
シューマン「トロイメライ」
リスト「愛の夢 第3番」

チャイコフスキー「四季」より 10月「秋の歌」& 11月「トロイカ」

本居長世「赤い靴」(横浜に関連のある曲)
本居長世「青い目の人形」
イギリス民謡「グリーンスリーブス」& 「アメージンググレース」

後半はオール・ショパン。
ワルツとファンタジー(幻想)をテーマに、
「ワルツ 第1番 『華麗なる大円舞曲』」
「幻想即興曲」
「別れの曲」
「ワルツ 第7番」
「幻想ポロネーズ」

アンコールには、「もみじ」をピアノソロアレンジで演奏しました。

鉄筋コンクリート造りのイギリス館。
普通のホールとは、音の反響が違います。
1月の試弾や、2週間前の通し練習でも確認しましたが、
タッチのコントロールが一番の課題だったと思います。
お客様のご意見も伺い、休憩中にカーテンを一部閉めて、さらに響きの調節をしました。
(お客様が厚着をされている季節ですと、また違ってくるかと思います)


今回のピアノ調律は、ここのピアノ調律をされたことのある、平山響一郎さんにお願いすることが出来ました。
難しい会場だとおっしゃっていましたが、自分の音を聴きやすく調整して下さいました。
「華麗なる大円舞曲」の、悪名高い連打も、ずっと軽く演奏出来て、とても助かりました。
お客様からのアンケートには、
「ピアノが良い」「会場に合ったピアノ」など、思いがけないご感想もあり、嬉しかったです。


会場の椅子ですが、コンサートホールのようにクッションの効いた椅子ではなく、
会議室などにあるような、スタッキング出来る椅子だったため、
やはり椅子が固いというご意見もありました。
(前回よりはずっと少なかったですが・・・)


また、ここのホールは、2つのお部屋の壁を抜いた2間続きの空間ですが、
耐震上、壁の一部が残されており、
後ろ側のお部屋には、どうしても響きが伝わりにくくなります。
曲間のトークも、落ち着いてはっきり、と心がけたつもりでしたが、
お席によっては聞こえにくい時があったそうで・・・反省です。


会場の雰囲気は好評で、今回はとりあえず収穫があったように思いますが、
次回については、まだ考え中です。
横浜市の施設は、抽選が6ヶ月前で、コンサートの準備期間としてはギリギリですし、
今後は利用登録の条件も厳しくなるそうで、継続して利用出来るか、心配な面もあります。

またイギリス館で出来たら良いな、という気持ちはありますので、
今回の課題を踏まえて、コンサートの質を上げていけるよう、準備を進めようと思います。

普通のホールとは色々と違う条件を、上手に利用する必要のあるサロンコンサート。
私自身、コンサートホールでの会ばかり聴いていて、
サロン的な場での会を聴く機会が、なかなかありませんでした。
勉強のためにも、もっと聴きに行く会を探さなければ・・・

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