2014.11.14 【ヴァイオリンと歌の夕べ】

地元鎌倉でのコンサートで、声楽の伴奏を致しました。
前半は3人の声楽家による演奏、
後半はフランスのヴァイオリニスト、フレデリック・モローさんによる無伴奏ヴァイオリン曲というプログラムです。
今回はソプラノの浦畑博美さん、メゾソプラノの安東京衣子さんの伴奏を致しました。

人の歌声はどの楽器よりも美しい、と思っている私にとって、
美声の声楽家の伴奏が出来るのは、とても嬉しい機会です。
今回は、フォーレ、デュパルク、リストのフランス語の歌曲に、フランスもののオペラアリア、
そしてプログラム前半の締めとなる二重唱(ショーソンの「夜」)を共演しました。


後半、フレデリック・モローさんのヴァイオリンソロは、客席で聴くことが出来ました。
高いテクニックとシャープでスマートな音楽造りが見事で、
アンコール曲を含めた1時間近くがあっという間に感じました。
モローさんは、今回初めて日本にいらしたそうですが、
演奏を聴ける機会がもっと増えて欲しいです。

今回はプログラム前半だけの出演でしたが、
初めて演奏させていただく会は、勝手がわからない分、やはり緊張します。

演奏に集中しようと思うあまり、
「演奏以外のことには出来るだけ神経を遣わないように」と、ピリピリしすぎているのかもしれません。
自分のリサイタルも含め、何度も演奏している場とはまた違った緊張感。
これを楽しんでしまえるようになるのは、いったいいつのことでしょうか・・・
やはり、1回1回を精一杯やっていくしかないのかもしれませんね。

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2014.10.24/11.1【伴奏の仕事】

毎年恒例のイベントで、今年も伴奏をしてきました。
気温・湿度ともに下がってくるこの季節は、私にとって1年で最も心身が楽な時。
しかしこの会は、どちらもステージリハーサルが出来ないこともあり、
何かしらトラブルが起こってしまう、怖い会です・・・

1日目の会場のピアノはヤマハの古いフルコンですが、
ダンパーペダル(右のペダル)の動きが不十分で、半分くらいしか動かなくなってしまっています。
ピアノの使われる催物がほとんどなく、整備される機会が少ないためかもしれません。

前回は演奏を始めてからペダルの不具合に気づき、かなりそれに気を取られてしまったので、
今回は会場準備の中で4〜5分の時間をいただき、ピアノと椅子の確認をしました。

音程のチェック(ひどく下がっている音があったら、その音は目立たないように弾く)、
ペダルのチェック(ダンパーの動き具合を確認しておく)、
椅子のチェック(レバーが錆びていて、高さを変えられなかったことがありました・・・)まで、
すばやく済ませました。


とりあえず、出来る準備は全てやった・・・つもりでしたが、
いざ本番でステージにあがると、何とピアノに向かってエアコンの強風が吹きつけていました。

ステージ上はなぜか、「得体の知れない風」が吹いていることが多いです。
ですので、伴奏など楽譜を見て演奏する時は、楽譜がはためいてしまわないよう、
ハンカチを置いて押さえておくことにしています。

しかし、今回はハンカチなどではとても押さえきれないほど強い風でしたので、
演奏開始を待ってもらい、エアコンを止めていただきました・・・

2日目の会場のピアノも、ヤマハのフルコン。
出演者のとても多い会で、音出し室からステージまでの移動も分刻みで決められているため、
ステージ上でピアノや椅子を確認することは、一切出来ません。
ただ、ピアノの発表会などでも利用されている会場ですので、ある程度の状態は保たれています。

前回は、音出し室のピアノの音程がとても下がっていて、
不本意なリハーサルのまま、ステージに出ていくことになってしまいました。
今回、音出し室のピアノは、ちゃんと調律されていて、一安心。
前回終了後に、ダメもとでしたが調律の要望を出しておいて良かったです。


1日目の会場のピアノは、毎年11月〜12月頃に調律をされていたそうですが、
来年からその調律を、イベントの前にしていただけることになりました。

良い会場の良いピアノで弾きたい・・・全てのピアニストの望みでしょう。
でもそれが叶わないこともあります。
自分の楽器を持ち運べないピアニストは、ただでさえ、
「今日弾くピアノは一体どんな状態か」と、毎回ナーバスになっているもの。
調律をしてもらえない時やリハーサルが出来ない時は、一層緊張が高まります。


毎回ハラハラするこの会ですが、少しずつ対処していけるようになりました。
どんな事態も楽しんでしまえるようになったら、最高ですね。

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