2014.12.20 【田部京子 ピアノリサイタル】

日本を代表する実力派ピアニスト、田部京子さんのリサイタルを聴いてきました。
以前にもコンサートでシューベルトやベートーヴェンのソナタを聴いたり、
メンデルスゾーンのCDに感銘を受けたりしていましたが、
リサイタルに行くのは久しぶりです。


曲目はちょっと変わっていて、
吉松隆「プレイアデス舞曲集」より4曲

ベートーヴェン「月光ソナタ」

シベリウスの小品5曲
「ロマンス op.24-9」「ピヒラヤの花咲く時」「もみの木」「ひな菊」「ロマンティックな風景」

グリーグ「ペールギュント 第1組曲」
「抒情小曲集」より6曲


私は来年3月にグリーグ&シベリウスプログラムのリサイタルを予定していますが、
そこで弾く曲が5曲も入っています。
特にシベリウスは、ピアノ曲としてはかなりマイナーで、
生演奏で聴ける機会は、そうあるものではありません。
何としてでも行きたい!と思っていたコンサートです。

そのプログラムもあってか、客席はかなり男性のお客様が多め。
開演前に男性のお手洗いが行列しているのを、初めて見ました。


どの曲も弾き込まれた完成度が見事で、fやffの部分での力強いタッチも印象的でした。
妙なハッタリのない、真摯に曲を表現されている演奏で、安心して聴くことが出来ました。


アンコールは2曲。
グリーグ「君を愛す」(グリーグ歌曲の最高峰。グリーグ自身による編曲。)
シューベルト「アヴェマリア」
(「皆様の幸運をお祈りして」とお話がありました)

「アヴェマリア」は、メロディーにハーモニー和音をシンプルにつけただけの編曲でしたが、
静かに聴きいることが出来ました。
こういうアンコールも良いですね。

チラシを見た時は、なぜベートーヴェンの「月光ソナタ」が入っているのか、ちょっと分かりかねましたが、
当日の配布プログラムに載っていた、田部さんご自身による挨拶文を見て、やっと納得しました。
『あと数日でクリスマス。一年で最も夜の長い時期となりました。
本日はそのような季節感からもイメージを得て、プログラミングいたしました。(以下略)』

吉松隆、シベリウス、グリーグとかなりマイナーな曲目ばかりだから、
何か有名な曲を入れる必要があったのか・・・? などと思っていましたが、
「プレイアデス(すばる)」と「月光ソナタ」は、冬至から夜をイメージされたプログラムだったのですね。


クラシックコンサートでは選曲も大事なポイントなので、
この挨拶文がチラシに載っていたら、もっと行く楽しみが大きくなったように思います。
まあ、田部京子さんほど著名なピアニストなら、演奏曲目で判断するお客様はあまりいないのかもしれませんが・・・

今年も色々なコンサートを聴きました。
どうしてもピアノソロのコンサートに行くことが多くなりますので、
来年はオーケストラをもっと聴きたいなと思います。
良いコンサートからは、得られるものがたくさんあります。
来年も、素晴らしいコンサートとの出会いを、楽しみにしたいと思います。



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