2015.1.17 【レクチャーコンサート ノルウェーの音楽と美術の出会い】

都営大江戸線・光が丘駅からほど近くの「光が丘美術館」で開催された、レクチャーコンサートを聴いてきました。
グリーグの「スロッテル(ノルウェーの農民舞曲)」がプログラムにあり、
美術のレクチャーもあるコンサート。
「スロッテル」は私も勉強中ですが、グリーグ作品の中でもマイナーな曲で、
なかなか生で聴ける機会がありません。
美術館での開催というのも興味深く、ぜひ行ってみたいと思ったコンサートです。


光が丘へは17年前、駅前の「IMAホール」に連弾のコンクールを受けに行ったことがありましたが、
光が丘美術館は初めてです。

IMAホールとは反対側の出口からほど近い、住宅地の中に建つ光が丘美術館は、蔵造りの美しい建物。所蔵されている美術品も、日本画や版画が中心ですが、とても趣味の良い作品ばかりでした。

コンサート会場は2階の展示室で、ベーゼンドルファーのグランドピアノが置かれていました。
このピアノは、オーストリア1000年祭を記念して製造されたという「1000年祭ピアノ」。
木目に金色のライン装飾がとても美しく、世界に12台しかない限定品なのだそうです。
(そのうちの1台は、なんとダイアナ妃の所蔵とか。)

展示されている日本画に囲まれて、落ち着きがありながらも豊かな気持ちになれる会場でした。
創設者の方の心意気がしのばれます。
コンサートも、ほぼ毎月開催されています。


今日のレクチャーは、東北大学大学院博士課程の渡邊祐子さん。
ピアノ演奏は、ノルウェー国立音楽院、シベリウス音楽院で学ばれた安保(あんぼ)美希さん。
レクチャーとピアノ演奏が交互に進められ、
レクチャーではムンクやヨハン・クリスチャン・ダールなど、ノルウェーの作家の絵画が、時代や作風の説明を交えて紹介されました。

それらの作品から安保さんがイメージされたというピアノ曲では、
グリーグ「スロッテル」から3曲のほか、ドビュッシー「雨の庭」、フォーレ「ノクターン 第2番」、
スクリャービン「幻想ソナタ」などが紹介されました。
レクチャーでの語りも、ピアノの音色も温かな雰囲気で、
光が丘美術館の雰囲気にふさわしいものでした。


今回の選曲で北欧の曲は、グリーグと、最後に演奏されたルスホールという作曲家の「NAMIDA」。
「NAMIDA」は東日本大震災の後に書かれた曲だそうで、
深い悲しみや絶望感が、ひたひたと胸に迫るような響きの作品でした。
レクチャーで北欧のいろいろな画家を知ることが出来ましたので、
今度はさらに様々な北欧のピアノ曲も聴いてみたいですね。

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2015.1.7 【試演会】

母校・北鎌倉女子学園音楽科の同窓会が主催する試演会に参加しました。
毎年1月に開催されるこの会。
参加者は主に音大・音高の受験生ですが、年齢問わず誰でも自由に参加出来、
希望者には楽典(音楽理論)や聴音、ソルフェージュなどの模試もあります。

私は春のリサイタルを控え、一昨年からは毎年参加。
これまではリハーサル室での開催で、試験場の雰囲気そのもの、といった中での演奏でしたが、
今回は会場の都合で、横浜市栄区民センター「リリス」のホールで行われるとのこと。

リリスホールは、200席と小規模ながらも音響が素晴らしく、
ステージ上での響きも自然で、演奏しやすいホールです。
ピアノはスタインウェイのフルコンですが、客席で聴いていても決して大きすぎることはなく、
まさに「すべてがS席」のホールです。

区の施設ですので、区民でないと広報・宣伝上、公演がやりにくいこともあり、
「ここでリサイタルが出来たら良いのにな・・・」と、いつも残念に思っていました。
今日は試演会ではありますが、リリスホールで弾ける貴重な機会。
お正月の三が日も電子ピアノでの練習で乗り切り、
受験生に混じって演奏してきました。


演奏時間は最長20分までなので、3/1(日)のリサイタル曲目から、
シベリウスの「即興曲 第5番」、「ロマンティックな情景」、そして「5つの小品(樹の組曲)」を選びました。

自宅とホールのステージでは、ピアノも音響も違いますが、
演奏者にとっては、床の反響の違いが最もダイレクトに感じられると思います。
今回は、バス音の響きの足りなさが気になりました。
緊張すると肩周りが固くなり、小指が浮き気味になりやすいものですが、
自宅練習のみでは気づきにくいことだったと思います。

今日は、受験生の生徒さんを参加させたという高校の同級生に、
10年以上ぶりに会うことが出来ました。
指導者として活躍している同級生も多く、音大や音高に生徒さんを合格させている方も少なくありません。
久しぶりに会えた友人と、レッスンのことのみならず、近況などいろいろな話が出来て、
とても嬉しい気持ちで帰ることが出来ました。


「今日は試演会だし、20分しか弾かないから、いつも本番後にのむアミノ酸飲料はいらないかな」
と思っていましたが、甘かった・・・
やはり夜になって、筋肉痛が出てきてしまい、あわてて飲む羽目になりました。
まだ身体に力が入ってしまうのでしょうか・・・
身体の使い方も、見直す必要がありそうです。

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