2015.6.27【日本フィルハーモニー 相模原定期演奏会】

モーツァルトのピアノ協奏曲を聴けるコンサートを探して見つけたコンサート。
ソリストは田部京子さん、指揮は小林研一郎さんと申し分ありません。

曲目はウィーン・プログラムで、
モーツァルト「ピアノ協奏曲 第23番 K.488 イ長調」
マーラー「交響曲 第5番 嬰ハ短調」
(マーラーが約70分と長いので、この2曲のみ。アンコールもなし。)


会場は相模女子大学グリーンホール。
小ホールでは昔、何かのコンクールの予選で弾いたことがありましたが、
大ホールに入るのは初めてです。

今日は雨こそほとんど降りませんでしたが、やはり湿度が高く、ジメジメとした一日。
その湿気のせいなのか、それともホールの構造上の問題なのか、
全体的に音色が、ややべったりと重く感じられました。
2階席のほぼ正面で聴きましたが、響きが上がってこない感じで、強奏では音がざらついてしまうし、
翌日のサントリーホールでの同公演に行けば良かったかな・・・、と少し残念でした。


田部京子さんのピアノソロは、いつもながらに細部まで丁寧に表現され、
特にフレーズのまとめ方が、とても勉強になりました。
協奏曲だからといって、妙なハッタリもなく、とても心地良く聴くことが出来ました。

ピアノ本体のバランス、オーケストラとのバランスも、やはり生で聴かないと分からないものですし、
来て良かったと思います。
やはり湿度のせいなのか、ピアノの音色まで、こもって聴こえたのが惜しまれます。


メインのマーラーは、小林研一郎さんの素晴らしい音楽に、全力で応える熱演でした。
ただ、先週にアマチュアオーケストラ(横須賀交響楽団さん)を聴いたので、つい比較してしまうのですが、
プロだからこそ、自分の身体を通して曲を表現する凄みを、もっと感じたかったと思います。
それが十分出来る力量を持つオーケストラだと思います。


先週の横須賀交響楽団さんの演奏からは、
「自分たちは、この曲を必死で練習した!」という、強い想いのようなものが伝わってきました。

もちろんプロは「必死で練習した」では済みませんし、努力の痕跡を残してはなりません。
でも、曲に対する想いは、アマチュアよりはるかに高次元のものがあるのではと期待してしまいます。

ピアノ協奏曲でも感じましたが、指揮者やソリストの音楽に応えるだけでなく、
奏者一人一人の音楽がもっと一体となって迫ってくれば、
日本のオーケストラだって、ずっと面白くなるように思うのですが・・・・


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2015.6.21【横須賀交響楽団 第117回定期演奏会】

横須賀交響楽団さんの定期演奏会を聴いてきました。
11月に、モーツァルトの協奏曲を共演させていただく予定です。

1956年(昭和31年)の創立で、来年は創立60周年を迎えられるとのこと。
年2回の定期演奏会の他にも、毎月のようにコンサートのあるご活躍ぶりです。
現在は中学生から80歳代の方まで、100名以上の団員さんが在籍されているそうです。

指揮は石野雅樹さん。
プログラムは、
スメタナ:交響詩「わが祖国」より 第2曲「モルダウ」
グリーグ:「ペール・ギュント」第1組曲・第2組曲
ドヴォルザーク:「交響曲 第7番」

アンコールでは、マスカーニの名作「カヴァレリア・ルスティカーナ」の「間奏曲」が演奏されました。


プログラム冊子の中の「団長ごあいさつ」に、
「ドヴォルザークの第7交響曲は、チェコ語による民族的語法だけでは色付けし切れない、恩師ブラームスの影響が濃厚に現れた作品。
この難曲に、試行錯誤で取り組んだ約半年間の道程は、決して平坦なものではなかった。」
ということが書かれていました。

この曲は、有名な「第9番・新世界より」などに比べると、かなり難解な作品です。
分かりやすいメロディーが主導権を握っているわけでもなく、
こういう曲を間延びせずに演奏するには、相当の弾き込みが必要です。

半年間、この曲に取り組まれた努力が、演奏から非常に強く伝わってきました。
演奏後は、客席からたくさんの「ブラボー!」が。
充実した演奏活動に決して慢心せず、作品に対して真摯に向き合う姿勢に、とても共感しました。

11月の共演が、とても楽しみです。


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