2015.9.5 【首都オペラ公演:トゥーランドット】

首都オペラの第24回公演「トゥーランドット(プッチーニ作曲)」を観てきました。
首都オペラでは、サロンコンサートやニューイヤーコンサートなどの様々なコンサートを開催し、
さらに集大成として、年に一度のペースでオペラ全幕公演を開催しているそうです。

前回のオペラ公演は「アラベラ(リヒャルト・シュトラウス作曲)」だったとのこと。
今回の「トゥーランドット」では、
時々伴奏をさせていただいている桑田葉子さん(二期会会員)が主役・トゥーランドットでご出演。
早々にチケットをゲットし、2階席の一番前という、とても観やすい席で楽しむことが出来ました。

キャストはオーディションで選ばれたそうですが、
皆さん力演で、終演後のカーテンコールでも「ブラボー!」がたくさん聞かれました。
歌手陣の好演もさることながら、オーケストラ(岩村力指揮・神奈川フィルハーモニー管弦楽団)にも集中力があり、
2回の休憩を挟んだ全3幕・3時間が、あっという間に感じられました。

演出(佐藤美晴)も、舞台は簡素ながらも違和感がなく、
また、ダンサー達の動きにも工夫があり、観ていて飽きることがありませんでした。

リュウ役の衣装ですが・・・
伝説の時代の北京が舞台で、 「王に付き添って、物乞いまでしながらここまで来た女奴隷」という設定なのに、
普通の可愛らしいブラウスとスカート?、のように見えました。
他の登場人物は皆それらしい衣装で違和感なく観れたのに、そこだけ少し残念でした。

日本には素晴らしい歌い手がたくさんいるのに、 その実力を披露できる場があまりにも少ない・・・
よく言われる言葉です。
経費も時間も膨大にかかるオペラ。
国の支援がない日本ではチケットも高額で、その敷居はなかなか低くなりません。

でも、今日のような充実した公演なら、
「また来てみたい」と感じたお客様も多いのではないでしょうか。

「トゥーランドット」では児童合唱があるため、
客席には出演者のご兄弟と思われる子供さん達も見られましたが、
落ち着きなくざわざわするような様子は特に感じませんでした。

またオペラを観に行きたいな・・・と、
ホール入口で配られた、数々のオペラ公演のチラシにも興味がわきました。
ひと時の夢を見させてくれるオペラ。 次の機会が楽しみです。

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2015.8.22 【オーケストラ合わせ開始】

11/1にモーツァルト「ピアノ協奏曲 第20番」で共演予定の、横須賀交響楽団さん。
オーケストラ合わせが始まりました。
今回の合わせは少しイレギュラーで、8月に1回、9月はなし、あとは10月というスケジュールです。

練習場所に伺うと、グランドピアノが反対向きに置かれていました。
グランドピアノの大屋根の開口部が、客席側ではなく、オーケストラに向いているのです。
理由は「ピアノの音をよく聴いておきたいから」とのこと。

ピアノ協奏曲は、客席ではちゃんとまとまって聴こえますが、
ステージ上では、意外なほどアンバランスな聴こえ方をしています。
ピアノの大屋根に音がさえぎられてしまうため、 弦楽器の後ろに配置される木管楽器群や、
近くても鍵盤側ではなく大屋根側にいるチェロやコントラバスとは、 お互いとても聴こえにくいものです。

ちなみに指揮者の方も、大屋根に背中を接するような位置に立つため、 ピアノの音が聴こえにくいそうです。

「今日は最初の合わせなので、この形態で練習させてもらいたい。 次回からは通常の置き方にします」
というお話でした。

横須賀交響楽団さんは、2010年に初共演させていただいた時も、
「オーケストラがピアノをよく聴いている」と評判でしたが、 さすがの工夫ですね。

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一人での練習に煮詰まる日々、 ワラにもすがる思いで「ピアノ協奏曲 コツ」で検索していたら、
「ピアノ協奏曲 演奏法・解説」というページを見つけました。
日本音楽コンクール入選、ソロ・伴奏のみならずオーケストラとの共演でもご活躍の、
夢藤(むとう)哲彦さんのホームページです。

「オーケストラと共演した経験から、ピアノ協奏曲演奏法をまとめてみました」 とある通り、
経験者でなければ絶対に知り得ない、 協奏曲ならではの準備や演奏法が盛り込まれた、とても有り難いページです。

スコアでの予習から、オーケストラと合わせる注意点、自宅練習の手順のほかに、
実際に演奏された経験をふまえた曲を挙げての具体例が、11曲分も載っています。

モーツァルトを練習中の今、特に目を引いたのが、
「ピアノ協奏曲 第9番『ジュノーム』」の中の、
「モーツァルトのオペラから、同じテンポ感の曲を選ぶ」 という項目でした。

モーツァルト作品の演奏にあたっては、オペラに親しむのが王道ですが、
「弾く曲とテンポや性格の似ている曲を探す」という、とても具体的な勉強法です。
(第1楽章の場合、「イドメネオ」序曲など)
私もさっそく、「第20番」の各楽章に似た曲を探し始めました。

各文もユーモアたっぷりで、毎日読んでも飽きない楽しさ。
印刷して1冊のクリアファイルにまとめ、すぐ手に取って読めるようにしました。

協奏曲のソリストは、意外と孤独なものですが、 その日々の練習を支えてくれるような、素敵なページです。

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