2015.10.4 【藤城清治 影絵展/東邦音楽大学トライアルコンサート】

91歳の影絵作家、藤城清治さんの影絵展に出かけました。
子供の頃から絵本などで親しんできた藤城作品。
影絵としての美しさはもちろん、その線の何とも言えない品格が子供心に響き、
ずっと惹かれていました。

この展覧会は新聞広告で知りましたが、初めて実物を見られるとあって、ワクワクしながら出かけました。

懐かしい絵本の世界が素晴らしかったのはもちろんですが、
今回特に印象に残ったのは、広島・原爆ドームや福島の被災地を題材にした作品でした。
構図の見事さと、生々しいまでの建物の表現とが相まって、 作者の願いのようなものが、とても強く伝わってきました。

藤城さんのお考えで「撮影OK」となっていたのには驚きました。
作品をバックに写真を撮り合う方も多かったのですが、
私の携帯は古い機種でカメラもあまり良くなく、
作品の印象は心に留めておきたい気もして、写真は撮らず、見るだけにしました。

帰りには絵葉書を購入。
コンサートのお礼状に使えそうな、グランドピアノの描かれたものを選びました。

また見たいと思う作品の多かった、今日の展覧会。
チラシには「毎年開く 恒例の自選展」とありましたので、
来年もまた見られるのでしょうか。
楽しみがまた一つ増えました。

 

展覧会の後は、「東邦音楽大学トライアルコンサート」へ。
モーツァルト「ピアノ協奏曲 第20番」を聴ける会を検索して見つけたコンサートです。
銀座から電車を乗り継ぎ、川越市の東邦音楽大学まで移動しました。

このコンサートは、作曲、管弦楽器(今回はサクソフォン)、声楽(今回はテノール)、ピアノから各一人ずつ選抜されて、学内オーケストラと共演(作曲は作品発表)出来るという会だそうです。
こういう会に選ばれるのは大変名誉なことですから、 学生さんにとって、大きな目標、大きな励みになるコンサートだと思います。
今年で10回目になるそうで、プログラムには歴代出演者のお名前も載っていましたが、 年によっては「該当者なし」という部門があり、
コンサートの水準をきちんと維持して続けられている印象を受けました。

会場の「グランツザール」は、テレビドラマの撮影でも使われたそうで、 学内にこんなに立派なホールがあって、羨ましい限りですね。

ピアノのソリストを務められた学生さんは、まだ2年生(!)でしたが、
数ある難所もしっかり弾き切り、音楽の流れが滞るところもなく、
積み重ねた練習の成果を十分に発揮されていました。

「第20番」を生で聴く機会がなかなかなく、困っていましたが、とても勉強になりました。
オーケストラとのバランスや、かけ合い部分のチェックはもちろんですが、
他の作曲家に比べて音が少なく、単音勝負の多いモーツァルト作品での音の響かせ方、
そして離れて聴かないと分かりにくいペダルの使い方も、改めて考えさせられました。

川越まで出掛けて良かったです。 帰りの電車内では、頭の中で協奏曲の暗譜を確認。

晴れの舞台を踏まれた学生さん達のご精進とご活躍を願いつつ、帰途につきました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

2015.9.28 【ホール練習】

コンサート前の恒例となってきたホール練習。
「ピアニスト体験」「グランドピアノを弾いてみませんか」等の名で各地で開催されている、
ステージでグランドピアノを自由に弾けるホール解放イベントです。

公演利用は不可で練習用のみですが、
普通にホールを借りる際の抽選や書類の提出、打ち合わせ等の手間が一切なく、
電話予約だけでOK。料金も1時間1,900円程度と格安です。

広いところ、よく響くところで練習すると、出来ていないことがとても良く見えてきますので、
普段の練習の延長としてよく利用するようになり、最近はコンサート前の恒例となってきました。

11/1(日)に横須賀芸術劇場大ホール(客席数1,800)での協奏曲演奏を控え、
今日は客席数1,098、スタインウェイのD型(フルコンサートグランドピアノ)が常備されている、横須賀市文化会館大ホールでの練習です。

クラシックコンサートでは通常、拡声装置を使いません。
弦楽器や管楽器と違って音を伸ばせないピアノは、大きなホールになると音が後ろの席まで届きにくく、
協奏曲ともなると、オーケストラの音に埋もれてしまいがちです。
ピアノの音が後ろまで届いているかを確認するため、今日は客席の最後列にビデオを設置しました。

翌日、ビデオを確認。
音はとりあえず伸びているようでしたが、やや背中が固く、
もっと身体をうまく使う余地があるなと思いました。
また弱音では、もう少し指先の固い部分(爪に近いところ)をしっかり当てた方が良いと感じました。

一番の問題は、テンポ感でした。
聴いているだけなら何となく大丈夫でも、
ビデオを聴きながらオーケストラパートを自分でピアノで弾く、
つまり本来とは逆の立場で演奏してみると、
ソロの速いパッセージが走っていたり、フレーズの歌い切りが不十分だったりして、
合わせにくいところが多々ありました。
反省です。

気持ちが焦って身体が固くなっていると、
やはりあちこち寸詰まった演奏になってしまいます。
来週のオーケストラ合わせに向けて、しっかり修正したいと思います。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Indexのページを新しいウインドウで開く>