2017.2.26 【ルーカス・ゲニューシャス ピアノリサイタル】

横浜市栄区民文化センター「リリス」で開催された 「ピアニストとの出逢い」シリーズ。
ロシアの次世代ピアニスト(1970年代から90年代生まれ)4人による、4回のリサイタルシリーズです。
前回のセルゲイ・カスプロフさんに続き、今日はルーカス・ゲニューシャスさんのリサイタルを聴きに行くことが出来ました。

シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化
グリーグ:抒情小曲集
鐘の音/即興的ワルツ/家路/森の静けさ/ノルウェーの旋律/夢想/トロルハウゲンの婚礼の日

プロコフィエフ:ピアノソナタ No.5
プロコフィエフ:ピアノソナタ No.2

アンコール曲
ショパン:エチュード op.25-1「エオリアンハープ」
ショパン:エチュード op.25-12「大洋」

一つ一つの表現が深く、温かみのあるピアニストで、何度も胸に迫るところがありました。
どのフレーズにも確固とした意思が感じられるのに、恣意的なものは感じられません。
27歳の若さでこれほどの表現が出来るのには、本当に敬服します。

シューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化」やグリーグは、あまりリサイタルでは聴けない曲なので、嬉しかったです。

グリーグの「抒情小曲集」からは、7曲が演奏されました。
全66曲からの7曲、選曲にはきっと何か意味があったのだろうと思います。
チラシやホームページにも、プログラムの曲目解説にもその記述はなかったので、ちょっと残念でした…

素晴らしいピアニスト達の演奏を聴いていると、表現手段がたまたまピアノだったという印象を受けます。
指揮者としてオーケストラを率いても、あるいは美術など他の表現手段だったとしても、その芸術性は何らかの形で表に現れただろうと感じます。

また、客席数300のリリスホールは、普段彼らが演奏している会場より、ずっと小さいだろうと思います。
それでもベストな音量、ベストなバランスで奏でているのは素晴らしいですね。
卓越した耳の良さを感じさせられました。
昔は、ガンガンと音が大きすぎる演奏家もいたものですが、隔世の感があります。

「ピアニストとの出逢い」シリーズ、 1回目と2回目を聴けなかったのが残念ですが、 真のロシアン・ピアニズム、その豊穣な響きを堪能しました。
素晴らしいホールでの意欲的な企画、ぜひまた楽しみにしたいです。

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2017.2.16 【室内楽 マチネコンサート】

北鎌倉女子学園中学・高校時代の恩師、錦戸糸子先生のコンサートに出かけました。
会場は、横浜市港南区民文化センター「ひまわりの郷」です。

お仲間とのコンサートや伴奏などで、毎年舞台に立っていらっしゃる先生。
今回はヴァイオリン、チェロとの室内楽コンサートです。

ヴァイオリンは岩谷裕之さん(関西フィルハーモニー・コンサートマスター/京都芸大講師)、チェロは渡部宏さん(東京ヴィヴァルディ合奏団音楽監督)です。

曲目はオール・ベートーヴェン・プログラムで、
ヴァイオリンソナタ No.2 op.12-2
チェロソナタ No.2 op.69
アンダンテ・ファヴォリ Woo. 57(ピアノソロ)
ピアノトリオ No.2 op.1-2

アンコールは2曲。
シューベルト「セレナーデ」とブラームス「ハンガリー舞曲 No.6」が、ピアノトリオに編曲されたバージョンで演奏されました。

デュオ、ソロ、トリオと曲毎に編成の変わるプログラムで、とても楽しんで聴くことが出来ました。

先生はもちろん、アンコールも含めて全6曲に出ずっぱりです。
デュオとトリオでは、バランスの取り方がかなり違うと思いますが、どちらもベストバランスでした。

この夏は、室内楽(トリオ)の講習会に参加する予定でいます。
トリオの経験がまだまだ少なく、音量バランスやタイミングの合わせ方など、聴きながら色々なことを考えてしまいました。

そうしているとふと、ヴァイオリンとチェロが、まるで言葉をしゃべっているかのように聴こえてきました。

歌とは違う、ヴァイオリンの言葉。チェロの言葉。
初めての感覚でした。

伴奏も室内楽も、その言葉を聴き、会話をしていれば良いのだなと、腑に落ちる思いがしました。
ひまわりの郷ホールは、アコースティック楽器がとても自然に響きます。
ステージと客席の距離も近く、心地良く聴くことが出来ます。
またここでコンサートを聴きたいな… またここで演奏出来たら良いな…と思います。

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