2017.5.26 【ホール練習】
ステージでのグランドピアノ練習が格安で出来る、横須賀市はまゆう会館の「グランドピアノを弾いてみませんか」。
今日も行ってきました。
横浜のリサイタルまであとひと月。
ちょうどよい時期でありがたいです
今日は2枠(2時間)取れたので、リサイタルで弾く曲全曲と、
6月11日「逗子童謡の会」での講師演奏の曲も録音・録画してきました。
いつものことながら、他人の耳で聴き、他人の目で見ると、全体像がよく分かり、
広い場所で弾くことで、部屋などで録画したものに比べて、より客観的に見られるように思います。
自宅では、ピアノも含めた全身を録ることが難しいので、ホールの広いステージで弾ける機会は本当に有難いです。
ホール練習を重ねる毎に、フルコン自体の響きも、床からの反射音にも、だいぶ慣れてきました。
全体の流れは良かったので、あと一息、歌い回しに余裕を持たせたいです。
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2017.5.7 【井上仁一郎 ミニコンサート】
母校・北鎌倉女子学園音楽科同窓会の総会に出席しました。
今日は、同窓会主催の合同発表会の説明会に加え、特別企画として、
元講師でギタリストの井上仁一郎先生のミニコンサートも開催されました。
先生はセゴビア国際コンクールファイナリストで、既に2枚のアルバムをリリース。
「現代ギター」誌の表紙も飾った方で、
現在は地元・福島と関東を中心に演奏活動を展開していらっしゃいます。
アルカス:ボレロ
タレガ:アルハンブラ宮殿の想い出
ルビーラ:禁じられた遊び(ルンババージョン)
4つのカタルーニャ民謡
(聖母の御子/アメリアの遺言/盗賊の歌/鳥の歌)
バホーゾ:ブラジルの水彩画
ペルナンブーコ:鐘の響き
ジョビン:ウェーブ
アンコール曲・・・虹の彼方に(武満徹編)
クラシックギターは左足を小さな足台に乗せるのが基本の姿勢だと思いますが、
先生は足台なしで足先を軽く組んで腰掛け、
しかも履いていらっしゃるのは来客用のビニールのスリッパでした。
楽器の上達には良い姿勢が欠かせない、下半身でしっかり体を支え、上半身の力を抜くのが大切、と思っていましたので、その演奏スタイルには本当に驚きました。
全国各地、様々な会で演奏されている先生がおっしゃるには、
きちんとした椅子などが備わっていない時もあるそうで、
そのような場でも演奏出来るようになさっているのだそうです。
もちろん、それが出来るのも、万全な基礎があるからこそです。
実に洗練された音楽性とテクニック、そしてウィットとユーモアのあるお話で繰り広げられた、
とても心地よいコンサートでした。
今日は同窓会の総会でしたから、非公開。
素晴らしい演奏を間近で堪能出来て、とても贅沢な気持ちになりました。
演奏は真剣勝負でも、こんなにリラックスした雰囲気を醸し出せるのは素晴らしいですね。
お話一つとっても、原稿を作らないとしゃべれない私はまだまだです…
私もこんなステージを目指したいな…と思います。
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2017.4.20 【鮫島明子ピアノリサイタル】
6月のリサイタルに向けて、横浜みなとみらい小ホールで行われる公演を聴きに行きたいと探していたところ、ピアニスト・鮫島明子さんのリサイタルを見つけました。
情報誌「ぶらあぼ」で、モーツァルト作品のCDが紹介されていたのですが、
「千差万化のニュアンスの移ろいが、ものの見事に表現されている」
というコメントに惹かれ、気になっていたピアニストです。
そのニュアンスの移ろいをすくい上げて音にすることこそ、モーツァルトの一番難しいところ。
きっと勉強になると思い、出かけました。
プログラム前半はモーツァルトで、
「幻想曲 ニ短調 K.397」と「ロンド イ短調 K.511」、そして「ピアノソナタ 第11番 K.331 トルコ行進曲つき」。
後半はショパンで、
「夜想曲 第17番 op.62-1」と「ピアノソナタ 第3番 op.58」。
アンコールは、エルガーの「愛のあいさつ」でした。
やはりモーツァルトの音色が柔らかくて美しく、とても印象に残りました。
様々なフレーズを、余韻まで丁寧に扱われていて、
馥郁(ふくいく)とした音楽の豊かさが伝わってきました。
狙っていたモーツァルト作品のCDも、ちゃんとロビーで販売されていました。
今練習している「デュポールのメヌエットによる変奏曲」も収録されているので、もちろん購入。
終演後にサインもしていただきました。
ダイナミックで豪快な演奏、スピード感やリズム感にあふれた演奏、どれも素敵です。
でも今は、優しい音色や、丁寧な表現、慈しむような歌い回しに惹かれます。
今、美しいと感じるもの、心が自然と欲するものを吸収して、
それを2ヶ月後、このホールで表現出来るようにしたいと願っています。
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2017.4.6/4.7 【アイナル・ステーン・ノクレベルグ ピアノマスタークラス&レクチャーコンサート】
ノルウェーを代表する国際的ピアニストで、ドイツ・ハノーヴァー音楽院とノルウェー国立音楽院で長年教授を務められた、アイナル・ステーン・ノクレベルグ先生。
日本グリーグ協会名誉理事でもいらっしゃる先生の、ピアノマスタークラスとコンサートに参加しました。
マスタークラスは、ぜひグリーグ作品のアドバイスをいただきたく、6月のリサイタルでも弾く「トロルハウゲンの婚礼の日」で受講しました。
当日はもう1曲、同じ「抒情小品集」から「アリエッタ」も聴いていただくことが出来ました。
先生の著書「グリーグ 全ピアノ作品演奏解釈」は、ページの厚い本ですが、詩情豊かなコメントと、詳細な練習ポイントで、ピアノを弾く人皆に役立つ名著です。
私ももちろん愛読していましたが、文章を読んだだけでは分かりにくかったことが、先生ご本人の言葉を通して明瞭になったことが多々ありました。
特に、冒頭のテーマがpp(ピアニシモ・とても弱く)で繰り返される部分(第10小節目以降)。
左手の伴奏音形について、本では「フィヨルドの水に映っている」とあります。
行進曲のリズムがしっかり続いているところなので、イメージをつかみかねていたのですが、先生曰く、
「この部分は、水たまりや、湖など、自然の水に映っている様子。グリーグは自然を愛し、自然そのものを信仰していた。」
とのこと。
グリーグの見た自然を体感している先生ならではの言葉です。
まるでその水の冷たさまで体感したようなリアリティを感じました。
メインテーマのテンポ感も、4拍子の行進曲リズムにこだわりすぎて、本にある「基本リズムは2分音符で」というコメントが、今一つピンときませんでしたが、先生の指揮に乗って弾くと、ずっと心地よい流れになりました。
また、賑やかさを表している両手交互の連打部分(第31小節以降)は、
「ブラジルの打楽器のように」という大胆なアドバイス。
とっさにイメージが結びつかず、焦りました。
教えていただいたこれらのことをやるには、もっとテクニックに磨きをかけなければなりません。でも、今後の練習のイメージがとても明瞭になりました。
他の受講生のレッスンも見学しましたが、マスタークラスレベルのレッスンでは珍しく、
技術的なこと、具体的な練習方法まできちんと示して下さっていたことが印象的でした。
翌日は、ノルウェー大使館レクチャーホールでのコンサート。
ホールと言っても、もちろんコンサート用の場所ではありませんし、
ピアノもフルコンやセミコンではなく、ヤマハのC3辺りのようです。
でも、ピアノの響きと会場の音響を確実にとらえたタッチコントロールは驚異的で、
確固としたグリーグの世界が展開されていきました。
あまりにも、あまりにも豊潤なひと時でした。
2日間に渡って、本当に、本当に貴重な経験をさせていただきました。
企画された日本グリーグ協会の皆様に、感謝しています。
このところ、どういう訳かピアノの弾くのがひどく辛く、練習もしんどいと思う日々が続いていました。
病が癒えて、リサイタルも出来ることになって、嬉しいはずなのに、気が重いばかりの毎日…
読書などの気晴らしも効果がなく、途方に暮れていましたが、有難いことに、気持ちがはっきりと前向きに変化してきたのを感じます。
今回得られたことを大切に、6月のリサイタルに生かしていきたいです。