【2018.3.3 第270回 逗子童謡の会】
逗子童謡の会で、二期会のソプラノ・桑田葉子さんとご一緒致しました。
ちょうど、ひな祭りの日でしたので「うれしいひな祭り」に始まり、
前半には「早春賦」「春よこい」「春が来た」などの早春の歌を、
後半は動物ものシリーズで、「あわて床屋」「山の音楽家」「おさるのかごや」などを歌いました。
講師演奏では、まずピアノ曲を2曲。
ひな祭りにちなんで、女性作曲家・バダジェフスカの「乙女の祈り」と、
お客様からのリクエストで、リストの「ラ・カンパネラ」を演奏しました。
続けて桑田さんのソロを3曲。
大中恩「しぐれに寄する叙情」のみずみずしさ、
別宮貞雄「さくら横丁」の胸に迫るような恋の痛み、
プッチーニのオペラ「トスカ」より「歌に生き 愛に生き」のドラマティックな表現と、
三者三様の世界の変化が鮮やかで、圧巻の演奏でした。
「乙女の祈り」は、年明けのNHK-Eテレ「ららら♪クラシック」で取り上げられていて、
ピアニストの小原孝さんが、「この曲を乙女らしく弾くポイント」を楽しく解説していらっしゃいました。
そのポイントとは、
「力が入ってしまいがちな3つのテクニック(オクターブ・アルペジオ・トリル)を、
優しく、柔らかく弾くこと」だそうです。
・・・・・ピアノを弾く人なら、きっと深くうなずいてしまうアドバイス。
特にオクターブでメロディを弾くのは、かなり高度なテクニックで、
優しく柔らかく弾くには、相当の余裕が必要です。
ミスタッチがとても目立つ曲でもあるので、
私もきちんと練習しないと、人前で弾く自信がありません。
今日は演奏の前に、この3つのテクニックを、実演を交えてお話しました。
今回、「乙女の祈り」は早々に決めていましたが、2曲目には別の曲を考えていました。
年明けになって、「ラ・カンパネラ」がリクエストにあがっていると主催の方から伺った時は、迷いました。
でも、リクエストをいただくのは初めてのこと。
お客様の心に残っている曲があって、生で聴いてみたいというご希望があるのなら、
がんばってみようと思いました。
練習はやはり大変でしたが、
今日は本番前のリハーサル中に、ふっと前向きな気持ちがわき出てきて、
精神的にとても助かりました。
本番も落ち着いて弾くことが出来、
予想以上に大きな拍手をいただけて、ホッとしました。
今年はもう一度、クリスマスの頃にまたお邪魔出来そうです。
また喜んでいただける演奏が出来るよう、前向きな気持ちで精進していきたいです。
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【2018.2/9&2/26&3/1 ホール練習3回】
コンサートホールのステージでグランドピアノを自由に弾ける、ホール解放イベント。
1時間2.000円前後と格安で借りられる人気のイベントで、
私も練習でよく利用します。
今回は、ひと月の間に3つのホールで弾く機会に恵まれ、
3/3(土)「逗子童謡の会」の講師演奏で弾く「乙女の祈り」と「ラ・カンパネラ」や、
伴奏の曲を練習してきました。
2月9日は、横浜市戸塚区民センター「さくらプラザ」(451席)。
一回目の申込みでは抽選に外れてしまいましたが、キャンセルが出たところをすかさず申込みました。
コンサートを聴きに訪れたことは何度もありますが、ステージに立つのは初めてです。
ここのピアノは、スタインウェイ・フルコンサート(D-274)。
ピアニストの清塚信也さんが選定されたピアノだそうです。
音そのものはもちろん、音の立ち上がりも減衰も、どちらも美しく、
弾いていて幸せになるピアノでした。
弾き込まれたピアノは、弦(ピアノ線)を打つハンマーという部品のフェルト部分に、
弦の跡がくっきりと溝になってついていますが、
ここのピアノは、その溝がまだうっすらとしかありませんでした。
もっと弾き込んでいけば、さらに鳴りが良くなり、素晴らしくなるピアノだと思います。
2月26日は、横須賀市文化会館の大ホール(1,110席)。
ここは電話先着順です。
やっと電話がつながった時は、もう残り1枠(1時間)でした。
1965年開館(1998年に新装開館)の建物で、ピアノはかなり古いスタインウェイ・フルコンサートです。
ハンマーに疲れが見え、大きな音が出しづらい状態でしたが、そこはやはりスタインウェイ。
音の立ち上がりの美しさは健在でした。
「ラ・カンパネラ」に頻出する、すばやいトリルや連打音も、とても弾きやすいです。
3/1は、クラシックのコンサートホールとして名高い、横浜市青葉区民センター「フィリアホール」(500席)。
周囲の振動を拾わない浮床構造で、素晴らしい音響を誇るホールです。
解放イベントも他館に比べて少なく、競争率も高いので、何度か外れていましたが、今回初めて当選。
ワクワクして出かけました。
ピアノはヤマハ・フルコンサート(CFV-S)。
音色の持ち味はスタインウェイとはかなり違いますが、
アクションの反応の良さは、さすがヤマハ最高峰のピアノです。
このホールは、ステージ上でも自分の弾く音の響きに包まれるようで、素晴らしい音響を堪能出来ます。
その分、何となく良い気持ちになって終わりがちなので、
そこは冷静に、どう弾いたらどのような響きになるのか、よく聴くよう心がけました。
3つのホールで、ホールそのものの音響の違いと、ピアノの違いをまざまざと体験出来て、
とても良い勉強になりました。
さくらプラザとフィリアホールは横浜市の施設なので、
通常は横浜市民か横浜市で活動する団体でないと、借りることが出来ません。
誰でも申し込める解放イベントは、ありがたい限りです。
ぜひまた利用したいです。