【2019.4.19  第240回  鎌倉童謡の会】

 

昨年夏につづき、鎌倉童謡の会で伴奏を致しました。

今回も、藤原歌劇団、横浜シティオペラ所属のソプラノ・小田切一恵さんとご一緒です。

 

会場は、鎌倉駅近くの鎌倉市婦人子供会館ホール。

これまでの会場だった鎌倉市生涯学習センターが、耐震工事で昨年末から急に利用出来なくなったため、代替施設での開催だそうです。

婦人子供会館は2階建ての可愛らしい洋館のような建物で、

ホールは100脚ほどの椅子を並べられる、フラットなスペースです。

1958年(昭和33年)に移転・改築されたそうですが、

メンテナンスもよくされていて、気持ちの良い場所でした。

 

今日の前半は、小田切さんの「この会場を春の歌でいっぱいにしましょう」との音頭で、春の曲をたくさん歌いました。

「どこかで春が」

「春がきた」(一定の音を抜く歌い方で頭の体操!  会場も笑いに包まれました)

「春の小川」「春の唄」「花のまち」

「若葉」「春の日の花と輝く」

 

後半は、昨年度下半期のNHK朝ドラ「まんぷく」の歌「あなたとトラッタラッタ」から始まりました。

テキストに載っていないため、歌詞カードを配っての練習でしたが、

まず小田切さんがお手本を歌って下さったことで、思い出していただきやすかったようです。

 

続けて、「仰げば尊し」

「花」(もともと2声部の曲ですが、下のパートを歌える方が多く、驚きました)

「花かげ」(「ひとりぼち」や「桜ふぶき」などの歌詞に情感を込めて歌う、という指導で、皆さんの歌がぐっと良くなりました)

「瀬戸の花嫁」「お嫁においで」

「幸せなら手をたたこう」(楽しく手や足の動きをつけて)

「あの素晴らしい愛をもう一度」

 

 

小田切さんのソプラノソロは、前半と後半に分けて演奏されました。

前半は日本歌曲で、

中田喜直「たんぽぽ」「さくら横ちょう」

小林秀雄「すてきな春に」(W演奏会用アリアWの名の通り、高らかに歌いあげる華やかな曲で、ピアノパートもとても変化が多く、大作の部類に入る曲です)

 

後半はオペラアリアで、

ヘンデル「リナルド」よりアルミレーナのアリア「涙が流れるままに」

ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」よりアデーレのアリア「侯爵様、あなたのようなお方は」

(会場の中を歩き回りながら歌われて、客席後方のお客様にも楽しんでいただけたようです)

 

小田切さんの輝くような美声を堪能出来る曲目で、会場も大いに盛り上がりました。

 

 

このホールのピアノは、ヤマハのC5でした。

会場のホームページの写真では小さめに見えましたが、思いのほか大きな機種。

音も良く響いて有難く、安心して弾くことが出来ました、

 

休憩時間には、昨年度皆勤賞14名・精勤賞9名の発表が行われていました、

月1回開催の童謡の会。

歌うことがお好きであっても、1年間12回、一度も休まずに通うのは大変なことです。

1回欠席だと精勤賞だそうですが、11回通われたことも素晴らしいことです。

このように毎年表彰されると、励みになりますね。

 

会場の急な変更で、主催者の皆様は大変な思いをされたことと思います。

その中でも、このようにたくさんのお客様がご来場下さり、

歌うことを楽しんで、それを継続されていることは、

皆様にとっても大きな喜びとなられているのではないでしょうか。

ピアノを弾いていても、会場が小さな分、お客様との距離が近く、

歌声にいっぱいに包まれるのを実感しました。

 

また来年も、小田切さんとご一緒にお邪魔する予定です。

今日のように会場が笑顔に包まれる会になるよう、しっかり準備したいと思います。

 

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【2019.4.10   小林沙羅ソプラノリサイタル】

 

藤原歌劇団所属のソプラノ・小林沙羅さんのリサイタルを聴いてきました。

オペラの名作のみならず、新作オペラの初演でもご活躍です。

ピアノは、小林さんの2ndアルバムでも共演されている河野紘子さん。

会場は、横浜市栄区民センター・リリスホールです。

 

日本古謡(山田耕筰編曲):さくらさくら

中田喜直:さくら横ちょう

別宮貞雄:さくら横ちょう

シューベルト:野ばら

トスティ:バラ

フォーレ:イスパーンの薔薇

 

タイユフェール:「フランスの花々」より(ピアノ・ソロ)

アンジュの薔薇/ベアルンの朝顔/ラングドックの向日葵

 

山田耕筰:風に寄せてうたへる春のうた(全4曲)

 

バッハ=グノー:アヴェ・マリア

伝カッチーニ:アヴェ・マリア

シューベルト:子守歌

ブラームス:子守歌

伝モーツァルト:子守歌

 

シューマン:トロイメライ(ピアノ・ソロ) 

 

シューマン:春が来た

シューマン:君は花のよう

シューマン:献呈

 

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」より  エンヒェンのアリア「すらりとした若者が歩いてきたら」

 

盛大な拍手に応えて、アンコールを3曲も歌って下さいました。

プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」より  ラウレッタのアリア「私のお父さん」

グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」より  ジュリエットのアリア「私は夢に生きたい」

小林沙羅:えがおの花・・・東日本大震災で無力感にさいなまれ、書かれた歌だそうです。

「あなたの心に笑顔の花を咲かせたい」という内容の、素敵な歌でした。

 

小さな歌曲であってもたっぷりとした情感、豊かな表現力が素晴らしく、

どの曲にもしっかりとした重みがありました。

アリアも、歌と演技のすみずみにまで、余裕を感じました。

河野さんのピアノも音が美しい上、歌としっかりと一体となった演奏でした。

 

 

配布されたプログラムには曲目解説がなく、小林さんご自身が曲のお話をなさっていました。

それもさくらの曲、春の曲、子守歌など、曲のテーマが変わる毎にお話されていたことには驚きました。

しゃべってすぐ歌う、歌ってすぐしゃべるというのは喉にも負担ですし、頭の切り替えも大変だと思いますが、とても慣れたご様子。

ピアノソロ曲の時は、やはり河野さんご自身がお話をされ、

お二人とも気さくなお話しぶりで、会場の雰囲気もとても和やかになりました。

 

 

チラシには、曲目が「さくら横ちょう」しか載っておらず、

会場でプログラムを見て初めて、他の曲目が分かりました。

クラシックコンサートでは、曲目もコンサート選びの大事な要素ですし、

知らない曲が入っている時は、前もって予習したいこともあります。

今回はとても素敵な選曲でしたので、その意図が伝わるよう、

もう少しチラシに曲目が載っていても良かったのではと感じました。

 

演奏の力、選曲、トークも含めた進め方、全てが勉強になりました。

私もこのようなコンサートを目指したいです。

 

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【2019.3.29  レッスン】

 

 

井上二葉先生のレッスンを受けてきました。

5月6日リサイタルの曲の中から、ショパン「夜想曲 第8番」と、

ドビュッシー「沈める寺」の2曲です。

井上先生は、フランスものを特にお得意にされているので、

ドビュッシーはぜひレッスンを受けたいと思っていました。

 

レッスンは、始めに通して聴いていただく時が一番緊張します。

「とてもきれい」と言っていただけて、一安心…

 

メロディーが「メロディーの時間で歌えるように」とのご指摘。

ベースを響かせて弾く時、その音に時間をかけ過ぎてメロディーの時間を食ってしまうことがあります。

音楽全体を見れば、確かにそこは、左手の聴かせどころではありません。

 

また「沈める寺」のクライマックス、大きなコラール(賛美歌)の中で低音の鐘が7回響き渡る箇所。

この鐘は特別な音ではありますが、特別扱いしすぎると全体が遅れて聞こえること、

やはりメロディーをそのまま受けて弾く方が良い、とのアドバイスをいただきました。

 

他にも、強い味のあるハーモニーへ向かう時のメロディーのニュアンス、

細かなパッセージの後の音の処理、和音のバランスの微調整など、

様々なアドバイスをいただきました。

 

また、本番が近づくとテンポも焦りがちですが、

「ゆっくり弾く練習をすると、急ぎやすい箇所が分かる」とのこと。

今なお現役で演奏活動をされている先生ならではのアドバイスは本当に貴重です。

 

レッスンへ行く目的は、その曲の解釈が妥当かどうか、

そしてそれが音として表現出来ているかを聴いていただくためですが、

私の中では小さな本番でもあります。

「始めに通して聴いていただく時が本番」と思って準備しています。

 

昨日のホール練習、そして今日のレッスンと、2つの小さな本番が終わりました。

コンサートの準備期間中にいくつか小さな目標を設け、一つ一つクリアしていく…

心身のリセットも出来て、新鮮な気持ちで練習を続けられるように思います。

 

リサイタルまであとひと月あまり。

また頭を切り替えて、練習を積んでいきたいです。

 

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【2019.3.28  ホール練習】

 

2月に続けて、今月も横須賀市はまゆう会館で練習をしてきました。

今日は、5月6日・リサイタルプログラムの練習です。

出入りも含めて全曲を弾き、録音・録画しました。

 

全体に良い音で、高音も思っていたよりきれいに響いていました。

この一年、弾く姿勢を見直し、下半身の支えと上半身の脱力ことを徹底してきたことで、

高い音を弾く時の力み(りきみ)が減ってきたように思います。

 

ただ、響きをバス音に乗せる練習を重点的にしていたため、

フルコンで弾くと重いと感じるところがありました。

大きなピアノで、床からの反射音もあるホールで弾くと、

バランスがよく分かって助かります。

 

あとは、もっと間(ま)をゆったり取る方が良いところや、

もっとフレーズを大きく取りたいところもチェック。

客席に設置したビデオの映像は客席目線になるためか、その辺りがかなり気になります。

装飾音も急いで聞こえるところが多かったですし、

もっと音の響きに浸って弾いて欲しい、と感じました。

 

今日は全曲通して弾きましたので、集中が切れやすいところ、集中しにくいところ、

力み(りきみ)が取りにくいところも、あちこち見つかりました。

自宅での練習とは違う緊張感の中で弾けるホール練習は、やはりありがたいです。

今日得たことをしっかり消化して、あと1ヶ月あまり、弾きこみを重ねていきたいと思います。

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