【2023.5.20 小林明代ヴァイオリンリサイタル】
ヴァイオリニスト・小林明代さんのリサイタルで、8度目の共演をいたしました。
会場は今回も横浜の素晴らしいホール、フィリアホールです。
ヴェラチーニ:コンチェルト・ソナタ ホ短調
J.S.バッハ:無伴奏パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
ブロッホ:組曲「バール・シェム」(全3曲)
ヤナーチェク:ドゥムカ ハ短調
スメタナ:わが故郷より(全2曲)
アンコール曲
ドヴォルザーク(クライスラー編曲):わが母の教え給いし歌
有馬礼子:天使の子守唄
アンコール2曲目「天使の子守唄」の作曲家・有馬礼子さんもご来場で、
演奏をたいそう喜ばれ、小林さんと堅く握手を交わされていました。
この曲をもう一度演奏して、お開きとなりました。
伴奏やアンサンブルでは相手との音量バランスに神経を使うため、
でも今回は、ピアノ調律師の執行直(しぎょう ただし)さんが、
強音でも過大なボリュームにならず、弱音でもくもりすぎない、絶妙な調整を施してくださいました。
出るところとバックに回るところのメリハリを、安心してつけられたように思います。
ピアノに助けられました。
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N響コンサートマスターで、"まろ"の愛称でもおなじみの篠崎史紀さんが、
アンサンブルについて語っていらっしゃいました。
「ヨーロッパのオーケストラのリハーサルを見ていると、
最初は合わなくても、とにかくお互いにやりたいものを出し切っている。
2回目で相手を意識し、3回目では自分のやりたいものは譲らず、でも相手と自然に合っていく。
これこそアンサンブルの極意だと思う。
そうでないと、合わせることがただの作業になってしまう。」
…自分は音量でも表現でも、合わないこと、ぶつかることを避けていたのではないか…
…相手に寄り添っているつもりでいて、アンサンブルの本当の喜びを何も追求していなかったのではないか…
とても反省させられました。
すぐに解決出来ることではなく、新たな意識で一回一回取り組んでいくしかないでしょう。
「自分のやりたいものは譲らず、でも相手と自然に合っていく。」
時間がかかっても、そんなアンサンブルに近づいていきたいと切に思います。
【2023.5.3 第41回 アラムニーコンサート】
北鎌倉女子学園高校音楽科6期生の先輩方によるジョイントコンサート「アラムニーコンサート」。
2年ぶりに伴奏でお邪魔しました。
同期生のジョイントコンサートは他の学年の方々も開催されていますが、
41回目を迎えるのは6期生のみ。
尊敬の一言です。
〈ピアノソロ〉
バッハ:フランス組曲 第6番
シューベルト:即興曲 変ト長調
メンデルスゾーン:春の歌
ショパン:ノクターン 第20番 嬰ハ短調 遺作
ショパン:ワルツ 第14番 ホ短調 遺作
ショパン:24の前奏曲 より 第15番「雨だれ」・第17番
アルベニス:組曲「イベリア」第2巻より「エル・ポーロ」
〈ヴァイオリンソロ〉
ブロッホ:組曲「バール・シェム」(全3曲)
〈ソプラノソロ・メゾソプラノソロ〉
ヴェルディ:オペラ「運命の力」より「神よ平和を与えたまえ」
チマーラ:海の詩
フォーレ:蝶と花
橋本国彦:お菓子と娘
中田喜直:「金子みすゞ詩による童謡歌曲集」より
みんなをすきに/わたしとことりとすずと/おさかな
いぬ/こころ/わらい/ほしとたんぽぽ
普久原恒勇:芭蕉布
佐原一哉:童神〜ヤマトグチ〜
〈全員による演奏〉
三木たかし:心の瞳
今回はヴァイオリンの小林明代さん、メゾソプラノの安東京衣子(あんどう けいこ)さんの伴奏で、ブロッホ、フォーレ、橋本国彦、普久原恒勇作品の伴奏をいたしました。
今回は控室に入った瞬間、やわらかな温かさに包まれたような感じがしました。
継続して開催されているイベントの舞台裏には、ピリッとした緊張感の中にも、
えも言われぬ安定感があります。
卒業後に各自の歩んだ道はそれぞれでも、皆で協力しながら開催されてきたアラムニーコンサート。
その積み重ねの確かさを、改めて感じました。
たくさんのお客様で埋まった客席からも、温かな雰囲気が伝わってきました。
緊張の中でも全身全霊をこめて弾くことが出来たように思います。
(フォーレの前奏のテンポが少し走ってしまったのが反省です…)
音楽の面でも、人生においても尊敬できる先輩の存在は貴重です。
自分も先輩方のように、自分の信じる音楽を、自分のペースで追求していきたい…
それを自分の軸として大切にしていきたい…
改めて目標が出来ました。
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