【2025.2.21 青山暖 ヴァイオリンリサイタル】
東京藝大2年生ながら、日本音楽コンクール第2位を始め、輝かしい受賞歴を誇るヴァイオリニスト青山暖(あおやま のん)さんのリサイタルを聴きました。
ピアノはラフマニノフ国際コンクール第1位など、こちらもご活躍中の三好朝香(みよし あさか)さんです。
会場は横浜市栄区民センター・リリスホール。
300席の客席全てがS席と言えるほど、音響の良い、素敵なホールです。
今回はリリスホールの主催公演「午後の音楽会」の一環で、休憩なし・約1時間のプログラムでした。
ストラヴィンスキー:イタリア組曲(全6曲)
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ No.5 op.27
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ No.9 op.47「クロイツェル」
・・・青山さんの大好きな曲で、今回が初披露だったそうです。
アンコール曲
エルガー:愛の挨拶
楽曲を捉える力、曲を自分の中に取り込む能力が半端なく、これが才能というものかと思い知らされました。
あたかも青山さん自身の中からあふれてくるかのような演奏で、全てのフレーズに説得力があり、引き込まれてしまいました。
ピアノの三好さんも絶妙なバランスで、サポートされていました。
ストラヴィンスキーもベートーヴェンもピアノパートが大変な曲ですが、何の力みもなく、タッチコントロールも鮮やかです。
お手本にしたいと、まばたきも忘れて聴き入ってしまいました。
5月のコンサートのために、色々なアンサンブルをきいておきたいと思って出かけましたが、とても充実した気持ちで帰ることが出来ました。
自分の練習でも、今回聴いた響きを再現したいと思いながら弾いています。
もっとコンサートに出かける機会を見つけて、自分の中身も豊かにしていきたいと思います。
【2025.1.16 寺村朋子さんのチェンバロリサイタル】
高校同級生のチェンバリスト、寺村朋子さんのコンサートを聴いてきました。
アンサンブル山手バロッコ主催の「洋館で親しむバロック音楽」シリーズの一環で、会場は横浜イギリス館ホール。
チェンバロソロのコンサートは久しぶりです。
タイトルは「バッハ ナンバーツー 〜第2番を集めて〜」
バッハの組曲「第2番」を中心にした、ユニークな企画です。
J.S.バッハ:4つのデュエットより 第2番 へ長調 BWV803
J.S.バッハ:イギリス組曲 第2番 イ短調 BWV807
W.F.バッハ:ソナタ 第2番 イ長調 Fk.8
・・・ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハは、J.S.(ヨハン・ゼバスティアン)バッハの長男
J.S.バッハ:フランス組曲 第2番 ハ短調 BWV813
C.P.E.バッハ:ロンド 第2番 ト長調 Wq.57/3
・・・カール・フィリップ・エマヌエル・・バッハは、J.S.バッハの次男
J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
アンコール曲
J.S.バッハ:シンフォニア(3声インヴェンション) 第2番 ハ短調 BWV788
今回の組曲とパルティータは、全て短調です。
「短調ばかりで色彩が単調になってしまう(笑)ため、優秀な息子たちの作品で彩りを添えてもらおう」
と考えたとのこと。
一曲一曲丁寧で、安定感のある寺村さんの演奏。
バッハ父子の作品の素晴らしさがまっすぐに伝わってきました。
演奏の合間には、今日使われているチェンバロについての説明もありました。
1990年にチェンバロ製作家 故・堀栄蔵氏により、16世紀イタリアン様式で製作された1段鍵盤の楽器で、
ジャックという弦をはじく部品に、当時と同様に鳥の羽の軸が使われているそうです。
(現在はデルリンという合成樹脂がほとんどです)
イギリス総領事館だった横浜イギリス館は、
館内の大きなガラス窓から臨む庭園や差し込む陽の光も魅力的で、昼間と夜間ではガラッと雰囲気が変わります。
今日は昼間の開催でしたが、曇り空だったため、館内はとてもしっとりとした雰囲気。
短調の多い今日のプログラムにも合っているように思いました。
以前に「第1番」を集めた「バッハ ナンバーワン」も開催されたそうですが、
今回よりキャパの少ない会場だったため、会員さんで満席になってしまい、
お弟子さんや友人知人を呼べなかったとのことでした。
J.S.バッハの組曲とパルティータは、6曲ずつあります。
今回のコンサートは、これからナンバー3、ナンバー4と続けていかれるとのこと。
こういう「全曲演奏」も良いですね。
次回のコンサートが今から楽しみです。
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