【2024.9.12 鎌倉童謡の会 第285回定例会】
今年も鎌倉童謡の会で伴奏をさせていただきました。
リーダーは横浜シティオペラ・藤原歌劇団でもご活躍のソプラノ、小田切一恵さん。
会場はいつもの、鎌倉市生涯学習センターホールです。
オープニング曲「ハッピーバースデー」に続けて、
プログラム前半はテキスト「愛唱名歌」から"月と空"をテーマに小田切さんが選曲されました。
月/証浄寺の狸囃子/うさぎ/十五夜お月さん/故郷の空/とんぼのめがね/星の界/お月さんと坊や/翼をください/浜千鳥/旅愁/夕焼け小焼け
テキストに載っていない「お月さんと坊や」と「翼をください」は、
ステージ上にプロジェクターで映された歌詞を見ながら歌っていただきました。
後半は小田切さんのミニコンサートで開始。
アンピール劇場の歌姫(サティ)
抒情歌(全3曲)・・・花季/路地の子/藤の花(團伊玖磨・・・今年は生誕100年)
オペラ「トゥーランドット」より 氷のような姫君様(プッチーニ)
そしてテキストから皆さんで歌うのは、"秋を感じて”がテーマ。
虫の声/どんぐりころころ/七つの子/小さい秋見つけた/赤とんぼ/里の秋/小さな木の実/いい日旅立ち/秋の夜半/野菊/村祭り/埴生の宿
「小さな木の実」と「いい日旅立ち」は、歌詞をプロジェクターで投影です。
最後にエンディング曲「今日の日はさようなら」でお開きとなりました。
今日も残暑が厳しく、駅近の会場でも移動は大変でした。
その中でもご来場くださるお客様に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
暑さが続いていても、9月の声を聞くと、不思議と秋の歌がふさわしく思えるもの。
お客様の歌を聞きながら、秋を待つのがいっそう楽しみになりました。
マイクを使ってしゃべるのは、かなり喉に負担がかかるのだそうです。
ミニコンサートの曲紹介は、小田切さんがマイクなしでされていましたが、280席のホールでも、後ろの席の方には聞こえづらかったようでした。
次回は私(伴奏者)が曲紹介をしても良いかもしれません。
【2024.9.22 日本歌曲講座受講】
横浜シティオペラ主催の講座「日本の名歌を訪ねて vol.3」を受講してきました。
講師は、東京藝大名誉教授のテノール・三林輝夫さん。
二期会の副理事も歴任され、日本歌曲の登竜門・奏楽堂日本歌曲コンクールの発足にも携わられた、声楽界の重鎮です。
今回のテーマは、今年生誕100年を迎えた大中恩(おおなか めぐみ)と團伊玖磨(だん いくま)。
前半はお二人と親交のあった三林先生が、それぞれの作風や人柄、思い出話をお話しくださいました。
後半は、横浜シティオペラ会員さんが歌曲を演奏。
それに先生がアドバイスする形で進められました。
大中恩作品
「しぐれに寄する叙情」
「あなたの恋人に会いました」
「悲しくなったときは」
「私のイタリア」
團伊玖磨作品
「六つの子供のうた」より「秋の野」
「はる」
「三つの小唄」より「春の鳥」
「五つの断章」より「舟唄(片恋)」
「わがうた」より「ひぐらし」「紫陽花」
「抒情歌」より「花季」「路地の子ども」
10月に團伊玖磨「雨のあとさき」という歌曲の伴奏をするのですが、
音も歌詞もとても難しく、資料や音源も見つからず、途方に暮れていました。
今回ご出演で、先日の鎌倉童謡の会でご一緒したソプラノ・小田切一恵さんにご案内いただいたこの講座。
「雨のあとさき」は演奏されませんが、何かヒントを得たいと思い、参加しました。
同い年でも作風が全く違う、大中恩と團伊玖磨。
様々な作品をアドバイスを交えながら聴くことによって、
その芸術性や背景を、肌で感じることが出来ました。
特に團伊玖磨の作品について、
「反戦の気持ちがベースにあるものが多い」
「『ひぐらし』で木下保(きのした たもつ/先輩にあたる声楽家/1903年〜1982年)から、
『やっとリート(芸術歌曲)が書けるようになったね』と言われた」
などのお話が心に残りました。
作曲家を、普段の勉強とは異なる角度から捉えることの出来たこの講座。
とてもありがたかったです。
「雨のあとさき」も、楽譜の見え方か違ってきました。
得られたことを大切に、また練習に励みます。
【2024.9.29 試演会】
母校・北鎌倉女子学園高校音楽が同窓会主催の試演会に参加しました。
会場は7月の発表会と同じ、鎌倉生涯学習センターのホールです。
今回の持ち時間は20分。
発表会のリベンジをしたいフォーレ「ノクターン 第6番 変ニ長調 op.63」と、
リサイタルのお客様からリクエストがあったシューマン(リスト編曲)「献呈」を演奏しました。
演奏順は最後から2番目。
初挑戦のシューマンで右手を一つミスしてしまった他は、落ち着いて弾けました。
舞台袖で録った録音を聴くと、少し遅くて、慎重にいき過ぎたかもしれません…
譜めくりミスをせずに済んだのは良しとします。
大トリは、大先輩で元北鎌倉女子学園音楽科講師の和田泉先生。
ブラームス「3つの小品 op.117」を、それは慈愛深く、温かく演奏されました。
自分の演奏後、そのまま舞台袖で聴きましたが、
緊張と疲れがスーッと引いていくのを感じました。
今回は、音大指定校推薦入試の直前練習で参加している高校3年生が多かったです。
母校・桐朋学園大学も、昔は附属高校以外の推薦はありませんでしたが、
今は北鎌倉女子学園にも指定校推薦が来ているそうです。
入試に苦しんだ身としては、うらやましい限り…
7月の発表会も、今日の試演会も、とても勉強になり、ありがたい機会でした。
また予定が合えば参加したいです。
その時はもっと他の方々の演奏を聴く余裕を持てると良いですね。
【2024.10.19 勉強会】
高校の同級生のソプラノ・増田貴代子さんの伴奏で、勉強会に参加しました。
難しくて四苦八苦していた團伊玖磨「雨のあとさき」、いよいよ本番です。
会場は横浜市鶴見文化センター・サルビアホール内の音楽ホール(100席)。
ステージで弾くのは初めてですが、自分の音も相手の音も聴きやすく、
ピアノ(ヤマハS6B)も弾きやすく、とても助かりました。
今日は増田さんのピアノの恩師の主催の勉強会で、
声楽のほかピアノ、チェロの6名がご参加。
オーケストラとドヴォルザーク「チェロ協奏曲」の演奏を控えている方や、
ピアノの即興演奏(!)を披露された方など、多彩かつハイレベルなプログラムで、
大いに刺激を受けました。
増田さんの伴奏をするのは、高校在学中も含めて実は初めて。
それでも、練習中も本番もとても楽しく、たくさんのことを勉強させてもらえました。
改めてご縁に感謝です。
【2024.11.12 井上二葉先生のリサイタル】
フォーレ歿後100年記念
「3つの無言歌」 op.17
「舟歌 第3番」op.42
「即興曲 第4番」 op.91
「夜想曲 第6番」 op.63
「主題と変奏」 op.73
プログラム後半は工藤重典さん(フルート)とのデュオで開始。
「子守唄」op.16
「ロマンス」 op.28(工藤重典編曲)
「エレジー」 op.24(工藤重典編曲)
「コンクールのための小品」
「チェロのための小品(パピヨン)」op.77(工藤重典編曲)
「幻想曲のop.79
フルート&ピアノのアンコール曲
「夢のあとに」 op. (工藤重典編曲)
再びピアノソロ
「夜想曲 第9番」op.97
「舟歌 第12番」op.106bis
「即興曲 第5番」op.102
「夜想曲 第13番」op.119
最後のアンコールは再びフルート&ピアノ
「月の光」op
(工藤さんいわく「井上先生が『最後は2人で出たい』とおっしゃった」とのこと。
会場が温かな笑いに包まれました
ペダルの使い方が実に細やかでした。
レッスンでも指摘されましたが、ソステヌートペダル(グランドピアノの真ん中のペダル)も巧みに使っていらっしゃり、
一瞬たりとも響きが濁りません。
忙しい日々が続いて気持ちがざらついていましたが、すっきり洗われたように思いました。
後日届いたお礼状には、
「歌フォーレの崇高な世界への行脚。
個人的には道半ばの感を否めないが、年齢は争えず、自主公演はこれを最後とする。」
旨が記されていました。
自主リサイタルが最後なのは寂しい限りですが、多人数公演への出演やレッスンは継続してくださるとのこと。
先生に教えていただきたいことは、まだまだたくさんあります。
先生の演奏と教えを、しっかり糧に出来る音楽家でありたい…
その決意を新たにしたリサイタルでした。
【2024.12.6 イベントの伴奏】
伴奏させていただいているコーラスのイベント出演に参加しました。
毎年秋に開催されているイベントですが、今年は会場が衆議院議員選挙の期日前投票所になり、
投票期間と重なったこのイベントは、急遽12月へ変更になってしまいました。
こんなことがあるのですね…
冬の開催は初めてで寒さが心配されましたが、暖かなお天気に恵まれ、ホッとしました。
「紅葉」
「冬の夜」
「早春賦」
「アニーローリー」
「グリーンスリーブス」
「希望のささやき」
「モーツァルトの子守歌」
「モルダウの流れ」
会場のお客様と「上を向いて歩こう」
今回はオリジナルの合唱作品はなく、
親しみやすい曲のプログラムでした。
編曲もなかなかしゃれていましたので、楽しくお聴きいただけたようです。
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このイベントはステージリハーサルがないため、
当日の朝早めに行き、ピアノの確認をさせていただいています。
ピアノは旧式のヤマハのフルコンで、ペダルも2本しかありません。
弾かれる機会も少ないらしく、ハンマーの状態もあまり良くありません。
それでもご縁のあったピアノ、大切に丁寧に弾きたいものです。
対話するように弾いているうちに、何か通じてくるものがありました。
次にこのピアノに会えるのは、来年秋の予定です。
その時をまた楽しみに、私も精進します。
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