<小学校時代>
ピアノやヴァイオリンで専門家を目指す場合、幼児期から専門的なレッスン並びにソルフェージュ教育を受けるのが常識である。
(遅くとも10歳くらいまでには、専門家としての基礎固めが完成していなければならないと言われている。)
しかし、私も両親も、「音大に行ってピアニスト・ピアノ教師になる」などとは考えたことはなかった。
週1回・30分のピアノレッスンだけ、ソルフェージュもなし。
しかも、宿題に出された曲はそっちのけで、勝手に集めた楽譜を勝手に遊び弾く毎日。特にテンポや指使いはめちゃくちゃ。
他に習い事はしていなかったが、ピアノの練習よりも、近所の公園で毎日友達と遊んだ記憶のほうが印象に残っている。
そんな毎日だったのが、忘れもしない6年生の夏、ある曲の楽譜を見て、突然「この曲が弾けるようになりたい、ピアニストになりたい」と思ってしまった。理由はわからない。
(以下、続く)